ゲームや漫画、オンライン将棋にハマる官僚だっているんです

『官僚に学ぶ仕事術』は発売後1か月を待たずして5刷が決定した

――また本書の話に戻りますが、英語学習の章を読んでいていきなりドラクエの話が出てきたのには驚きました。まさか英語版ドラゴンクエストの魔法表で丸々1ページ使うとは……(笑)

久保田「そこは仕事術とはぜんぜん関係ないんですけど、とても重要なところなんですよ!(笑)」

――(笑)。でもたしかに英語学習のとっかかりにゲームが役立つといいですよね

久保田「英語の勉強ってつまらないですよね。それって苦行なので、どうにかしなきゃ、と。工夫して楽しく自分に刺激を与えられるようにするのは大事だと思います」

――ホイミがHealになっていたのはちょっと意外でした。味も素っ気もないですね

久保田「英語だと簡素な訳になるんですよね。日本語の方が細かいニュアンスを入れ込んでいる。ひのきの棒なんてStickですからね。それ、もうただの"棒"ですからね。"ひのき"はどこにいったんだっていう(笑)。日常会話でも英語って基本的に簡単だし、覚えなければならないボキャブラリ数は圧倒的に少ないです」

――これからはビジネスマンも英語が必須になる時代がくると思いますが、英語学習では何が重要なのでしょう

久保田「生の英語を聴くことですね。何の題材でもいいわけではなくて、興味のあるもの、自分が飽きないものを厳選して聴くことが大切です。というのは、当たり前なんですが、結局英語ができるようになっても知らないことは語れないんですよ。日本語ができれば誰でも日本の財政問題について喋れるかというとそうじゃないですよね。そもそも興味のある分野のことしか喋れないんだから、それだけを聴けばいいんです」

――ちなみに官僚になっていなかったらどうしていたと思いますか?

久保田「もう少し将棋がうまければ棋士になりたかったですね。今でもオンラインの将棋ゲームとかやっていて、イギリスでもハマっちゃってました」

――凝るタイプなんですね

久保田「そうですね。ゲームもそうだし、漫画も全巻集めないと気が済まない。最近だと『ヒストリエ』が面白いですね。『NANA』や『君に届け』もずっと買ってます」

――趣味の幅が本当に広いですね。そんな中で久保田さんのようにうまく時間を作るにはどうしたらいいか教えてください

久保田「一般の人にもっとも効果があるのはTVとの付き合い方を変えることですね。睡眠時間を削るのはまったくおすすめできません。あとは朝の時間を使うことでしょうか」


激務をこなしながらプライベートや家族との時間を大切にし、さらにはゲームや漫画といった趣味や、休日のボランティア活動などにも精力的に取り組んでいる久保田氏。

まるでスーパーマンのような生活だが、本書『官僚に学ぶ仕事術』を読めば、それが我々にも決して不可能ではないことがわかるはずだ。

PROFILE

くぼた・たかし

1976年生まれ 静岡県出身。京都大学総合人間学部卒業後、2001年内閣府入り。ニート対策を骨子とする「子ども・若者育成支援推進法」の制定等に携わる。2005年から2年間、英国ケンブリッジ大学へ留学し、MBAを取得。プライベートでは異種交流会の立ち上げ、運営や霞が関の構造改革にボランティアで取り組む。