前菜、メイン、デザートをコーススタイルで
コンフォートクラスの機内食で、大きな特徴はまず1つ。前菜、メイン、デザートとコース式でサーブされることと、食器がプラスチックではなく、陶器類を使っている点。プレミアムエコノミーの食事といえば、エコノミーの食事にウェルカムドリンクと軽食がプラスされる程度が一般的で、これほど充実したミールサービスをしている航空会社は貴重だ。
前菜はトルコ料理のカナッペとヘーゼルナッツ。飲み物は、ワインやビール以外に、オレンジ、トマト、アップル、サワーチェリーの各ジュースなど。ワインは赤と白が各2種類で、1つはトルコ産、もう1はフランス産などが組み込まれる。トルコワインの白を試してみると、少し甘めながら、前菜がトルコ料理なので好相性だった。
多めの量でも食べやすい味付け
メインディッシュは鶏胸肉のハーブバターをチョイス。バターライスがたっぷりと添えられていて、バター尽くしとなってしまったが、意外にも食べやすい味付けで無理なくいただけた。さらにデザートも、フルーツ、チーズ、スイーツと高級店並みのラインナップ。心もおなかも満たされる機内食だった。
メインディッシュの鶏胸肉のグリルはハーブバターで味付け。バターライスや野菜が添えられている。これ以外に、エビとフレッシュ野菜とトマト添え、地中海風サラダのプレートも。野菜が多めな点もうれしい。ちなみに、もう1つのメインは焼き豆腐 |
成田からイスタンブールまでは約半日かかるので、機内食はこれだけではない。到着前にも軽食が出る。こちらはプレートで提供。また、その中間にも軽食が食べられるが、日本の「チキンラーメン」(カップ入りタイプ)が出たのには驚いた。食べなれた味が楽しめるのはやはり嬉しく、こういう演出をされると、乗客はトルコ航空に好印象を持ちそうだ。
ケータリング会社の力
質のいい機内食を提供できるか否かは、ケータリング会社の力によるところが大きい。トルコ航空の機内食を作っているDO&CO(ドコ社)は、オーストリアのレストランからスタートした会社だ。1987年にケータリング業に参入し、いまではホテルやカフェ、チョコレート事業など多角的に事業を展開している。
そのため、優れたレシピや味を追求するのはもちろん、顧客サービスにも精通している。トルコ航空の機内にもドコ社のシェフが乗って食事を提供しているが、彼らは機内でサービスや料理の説明をするだけでなく、顧客の話を良く聞く。そういう姿勢が良質な機内食作りに役立っているのだろう。
ボリュームある食事が出る貴重な航空会社
業界全体を見ると、機内食は軽量化の傾向にある。健康志向が高まり、カロリーを抑えたい人が増えているのも背景にある。ただ、一方で利幅の薄い航空業界全体がコスト削減のために機内食の予算を削る傾向にあるのも事実。そんな中で機内食に力を注ぎ、量を減らさないトルコ航空は貴重な存在といえるかもしれない。
なお、トルコ航空のコンフォートクラスは時期によっては往復10万円台後半からの運賃で利用できる。日本からイスタンブールはでは片道で約半日かかるが、この距離の旅行先で上級エコノミーにこの料金で利用できるのはリーズナブルといえよう。