洗濯後の衣類に発生する雑巾のようなニオイ……。一般に「生乾き臭」と呼ばれる雑巾様臭は、よく洗ったにも関わらず、使用し始めるとすぐ発生する不快な臭いとして多くの消費者に認識されている。
花王の安全性評価研究所は26日、このニオイの原因である4-メチル-3-ヘキセン酸(4-Methyl-3-hexenoic acid:4M3H)の発生原因となる微生物を分離・同定することに成功したと発表した。
同研究所によると、一般家庭から雑巾様臭を有する衣類を入手し解析した結果、この微生物はモラクセラ菌と呼ばれる2連短桿菌で、洗濯後も衣類に残り、衣類の使用中や衣類の保存中に強い雑巾様臭を発生させることが分かったという。また、モラクセラ菌は保管中の衣類だけではなく、家庭内のさまざまな場所にも存在していることが判明した。
研究内容の一部は、日本農芸化学会2011年度大会(2011年3月5日、学会要旨集)で発表している。同研究所は「洗濯時には汚れだけでなく、このモラクセラ菌を除去することが大切と考えられました。今回の成果は、新しい衣料洗浄技術の開発に応用していきます」としている。