厳しい寒さも若干和らぎ、春到来の予感も感じさせる今日この頃。だが、そうなると心配になるのが春先の花粉症だ。今シーズンは、花粉の飛散量が昨年の10倍以上になると予測される地域もあり、早めの花粉対策は必須。そんな中、「花粉プロテクトコート」を発売した三陽商会は、「花粉を家の中に持ち込まない」を対策の重要ポイントに挙げている。

「花粉プロテクトコート」の発売を受け、三陽商会では展示会も行われた

花粉症対策への関心から、累計売上は昨年の3倍に!

「それ自体はよく言われることですが、実際は『布団や洗濯物を干すのを控える』などの対策に目が行きがち。しかし、人間の体のほうが花粉と接触する機会も多く、家に持ち込みやすいのです」と同社広報室。「花粉プロテクトコート」については、「コート発祥のアパレルメーカーとして春用コートを作るにあたり、花粉を防御するのは重要な機能だと考えました」と説明している。

紳士服では、コートブランド「サンヨー」より6型を展開。細身のシルエットで若年層にも対応するデザインとなり、雨をはじく撥水性能も強化された

婦人服は「サンヨー」「トゥー ビー シック」「アマカ」「トランスワーク」「エヴェックス バイ クリツィア」「バンベール」の6ブランドから計6型が登場。中でも「トゥー ビー シック」は、デザイン性が評価されて好調な売れ行きを示しているという

「花粉プロテクトコート」は、今シーズンから紳士服と婦人服の7ブランドに拡大し、全国の百貨店約180店舗で販売されている(詳細は既報の通り)。昨年12月の発表以来、問い合わせが相次いだそうで、「紳士服は今年1月末、婦人服は2月上旬の発売予定でしたが、商品によっては1週間ほど早めて発売したものもあります」(同社広報室)。

花粉症対策への関心の高まりにより、「花粉プロテクトコート」の累計売上は昨年の同時期と比べて3倍に。花粉の防御や撥水の機能に価値を感じ、購入を決める人が多いとのことだ。

家の前でコートを軽く払う。これで花粉の量は大幅に減少

「花粉プロテクトコート」の生地は凹凸が少なく、滑らかな肌触り

「花粉プロテクトコート」では、その多くの商品でユニチカトレーディング開発の素材・ポランガードを採用している。

高密度で織り、かつて表面の凹凸が少ない平らな生地に、特殊な樹脂加工を施したのが特徴で、これにより花粉が入り込みにくくなり、付着しても落ちやすくなるという。

このコートを着ただけでも、「花粉を家の中に持ち込まない」という花粉症対策には十分な効果を発揮しそうに感じられた。

さらに同社広報室は、「家に入る前に一度コートを脱ぎ、軽く払って花粉を落としてから入るのが良いでしょう。この方法で、付着した花粉の多くを落とせるという試験データも出ています」とアドバイスする。

花粉の付着を防ぐ「花粉プロテクトコート」を着用した上で、帰宅前にコートを払って花粉を落とすなどの念入りな対策を取ることが、花粉症予防の第1歩と言えるのかもしれない。

日本紡績検査協会 生活用品試験センターの試験データでも、ポランガードを振動させる前(写真左)と軽く振動させた後(同右)では、付着した花粉の量に大きな差が出た

なお、ポランガードを採用したコートは、「花粉プロテクトコート」の他に紳士向けのカジュアルブランド「ザ・スコッチハウス」でも1型を展開している。7ポケットのショートコートとなっており、カジュアルにもビジネスにも対応したアイテムに仕上がっているとのこと。