「WEBコミックハイ!」(双葉社刊)にて連載(配信)されている草野紅壱氏が描く『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』が禁断のTVアニメ化! 2011年1月より放送開始となる。

そこで今回は、高梨修輔役 (たかなし しゅうすけ)の豊永利行、高梨奈緒 (たかなし なお)役の喜多村英梨、土浦彩葉 (つちうら いろは)役の井上麻里奈、近藤繭佳 (こんどう まゆか)役の荒浪和沙といったメインキャスト陣が、第2話のアフレコ終了後に語ったメッセージを紹介しよう。

(前列左から)井上麻里奈、豊永利行、喜多村英梨、荒浪和沙、(後列左から)中村繪里子、立花慎之介、白石涼子、松本健太、大原さやか、市来光弘、森谷里美

メインキャスト陣が語るTVアニメ『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』

――ご自身が演じるキャラクターの紹介と、第2話まで実際に演じてみての感想をお願いします

豊永利行「高梨修輔君はお兄ちゃんです。修輔君に限ったことではないのですが、高梨家は変態だなって思いました(笑)。ただ修輔君は、青春時代を謳歌している感じで、趣向といいますか、好きな部分、フェチな部分がちょっと変態チックなのかな? という程度ではないかと思っています。実際に2話までやらせていただいたのですが、キャラ作りはちょっと難航しております。迷って走ると書いて迷走中なんですけど(笑)、絵のタッチはすごくかわいらしい感じなのですが、意外とリアルだったり、真剣な芝居を求められたりしたので、あまり見た目にこだわることなく、ドラマ性やストーリー性を重視しつつ演じておりますが、いまだに迷走中でございます」

喜多村英梨「高梨奈緒役の喜多村英梨です。奈緒ちゃんは見てのとおりの活発で明るく元気な女の子なんですけど、公式設定資料にもあるとおり、お兄ちゃんが大好きです。行き過ぎた愛がゆえに、お兄ちゃんの変態さや屈折したアクティビティを指摘する場面もあるのですが、言っている本人が一番「……」的な感じで、やはり奈緒ちゃんも高梨家の人間で、彼女なりのフェチズムがいっぱいあるということは、第一話を観ていただければよくわかると思います。彼女は感情や思っていることをストレートに表現する子なので、すごく喜怒哀楽が出ていて演じるのはとても楽しいです。ただ、原作では文字で説明されていないところが、アニメではより一層掘り下げられていて、セリフがすごい分量になっており、第一話は、台本をめくってもめくっても奈緒、奈緒、奈緒みたいなところもあるので、アニメではよりアクティブな奈緒ちゃんが観られるのではないかと思います」

井上麻里奈「土浦彩葉役の井上麻里奈です。彩葉は、どうやら主人公の幼馴染ということで、幼少の頃に修輔君といろいろな約束をし、裸を見せ、その責任を取れという感じのツインテールの女の子です。もちろん彼女も、ほかの方々と違わず、変態な本性があり、若干ストーカー気質なのかなと思っております。奈緒ちゃんより貧乳設定で、そしてレースのパンツをはいております。147cmでレースのパンツというあたりにギャップがあって、ちょっと萌えるのではないかなと(笑)。彩葉ちゃんは2話からの登場なので、どのような作品作りになっているのかなと思っていたのですが、すごくテンションの高いお兄ちゃんと奈緒ちゃんが盛り上げて引っ張っていてくれたので、彩葉もそれに負けないように頑張って2人の間をかき乱しつつ、素敵なライバルを演じられたらいいなと思っております」

荒浪和沙「近藤繭佳役の荒浪和沙と申します。繭佳ちゃんは修輔のクラスメートで、クラス委員を務める、おかっぱでショートカットの女の子です。繭佳も胸はそんなに大きくなく、普通というよりは多分小さめだと思います。BLが大好きな女の子なので、演じるにあたって、ボーイズラブに走るのはどんな女の子なのかなと少し考えてみたのですが、やはり男の子に理想や幻想を少し抱いていたりするのではないかと思い、そのあたりは修輔君と少し似ているのかもしれません。一人だけ身長が172cmとピョンと大きくなっているので、スレンダー美人でありながらちょっと気持ち悪い、みたいな感じを目指していけたらいいなと思います」

――ご自身の役柄を演じるにあたって気をつけているところや、魅力を感じているところはありますか?

豊永「一番最初に音響監督さんに言われたのは、『絵のタッチにあまり影響されず、かわいらしい男の子というよりも、"お兄ちゃん"だということを重視してほしい』ということでした。ラブコメディなので、コミカルな部分も多いのですが、そこでいかにお兄ちゃんっぽさを出しつつ、ボケていくかという部分を注意しながら、集中して演じていきたいと思っています」

喜多村「第一話のアフレコのときに、音響監督のえびなさんが、『この作品はテンポ、リズムが大切だ』とおっしゃっていたのですが、特に女の子はすごくセリフの分量が多かったり、気持ちの高まりがあったりという部分で、テンポやリズムを作っているのかなという風に感じています。奈緒ちゃんの言いたいこと、やりたいことを100%伝えるのはもちろんなのですが、そこに足し算、引き算みたいなところもあって、自分で高めてみたり、引いてみたりするといったパフォーマンス、エンタテインメント性をちゃんと意識しながらも、勢いで突っ走っていかなければならないところが難しさであり、今後の課題にもなっていくと思います。ただ、やはり止まってしまうと、奈緒ちゃんの良さや作品の良さも止まってしまうので、止まることなく言いたいことは言い切る、そんな勢いやパワフルなところを重視して演じていきたいと思っています」

井上「彩葉はすごく小悪魔気質が強く、裏表の激しい女の子なので、友だちに見せる顔と、お兄ちゃんに見せる顔、そしてまたライバルに見せる顔というものがけっこう違っていたりします。なので、そのあたりを演じ分けて、うまくギャップを出していければ面白くなるんだろうなと思います。今回の収録はまだ出会いの場面だったのですが、たぶん今後は奈緒ちゃんとのピリピリ具合なども描かれていくと思いますので、画面を通して、そのあたりの緊張感を皆さんに伝えられたらいいなと思っています」

荒浪「繭佳ちゃんは、お二人が演じられるキャラクターとはちがい、もうちょっとおしとやかで、あまり裏表がない感じの子です。やはり委員長を務めるだけあって真面目な女の子で、ちょっと文学少女というところもあり、BL好きではあるものの、あまり強いところや、女の子の"裏"みたいところはないのではないかと思います。そういった初々しさをうまく表現していけたらいいなと思います」

――演じるキャラクターがご自身と似ているところがありますか? また各キャラの性癖はアリだと思いますか? それともナシだと思いますか?

豊永「基本的にエロ本やらエロDVDやらをベッドのどこそこに隠したりするというのは、おそらく男子ならみんなやっていることだと思います。なので、間違いなくそこは似ているというか、そりゃそうだよねっていうところではありますね。ただ、修輔君の場合は『お前ちょっと持ちすぎだろう』っていうツッコミは入ってくると思いますが(笑)。修輔君の性癖については、人それぞれじゃないかなというのが本音ですが、個人的にはナシであってほしいですね。"AGE探検隊"とか、そういうのを結成するのはどうなんだって(笑)。普通に男子で集まって盛り上がる程度でいいんじゃないかなって思います」

喜多村「私は一人っ子なので、お兄ちゃんや妹のいる日常というものを経験しておらず、非常に新鮮な気持ちで、奈緒ちゃんの行動を、ある意味第三者的に眺めています。近くのこういう子がこういうことをしてくれたら、あるいは、こういう風に言ってくれたらいいなっていう願望や希望を自分なりに載せながら芝居をしているのですが、奈緒ちゃんと似ているところというのは、実はそんなに多くなく、一つ一つのことを新鮮に捉えながら、そして模索しながら演じさせていただいています。奈緒ちゃんの性癖という点では、お兄ちゃんに対する愛情や誰かに対する興味があってゆえの行動力、パワフルさのようなところは、女子として見習わなければいけないこともあるのかしらみたいなことを感じています。私の場合、晩生というわけではないんですけど、まずマイナスから考えてしまうタイプなのですが、奈緒ちゃんは考えるよりもまず目の前のことに自分からぶつかっていきます。これは性癖というよりも性格的なものかもしれませんが、そういった想いの強さ、アクティビティなところはアリかなと思います。」

井上「あまり似ていないほうがいいのかなとは思います(笑)。他人のプライベートを望遠鏡で観察したりしていたら、みんなドン引くでしょうという感じなので、そのあたりは似ていないと思いたいですね。彩葉ちゃんはすごく行動派で、自ら修ちゃんに会いに行って、キスをして、押し倒して、迫っていく……そういったアクティブさもやはり私にはないもので、ちゃんと女の武器を知っていて、それを最大限に活かせるあたりは本当にすばらしいですし、貧乳もステータスだと言えてしまうあたりはうらやましいなと(笑)。そのポジティブさは見習いたいと思います」

荒浪「繭佳の性癖はボーイズラブなのですが、私はどちらかというと、男女のくんずほぐれつのほうが好きなので……。でも、男性に対して幻想を持ってしまうというところはすごくわかります。私もアニメや漫画を観ているとき、男の子に対して、かわいいなとか綺麗だなって思ってしまうこともあるので、あまり肯定するのもあれなのですが、アリだとは思います」

――自分が演じるキャラクター以外で注目しているキャラクターはいますか?

豊永「奈緒と彩葉との三角関係、そして委員長……、そうですね、どのキャラクターも非常に気になってはいるのですが、なにしろ高梨家という存在そのもののインパクトが強すぎて、いろいろな部分で、これはすげえなって興奮したり、これはどうなんだって思ったりするところがあります。その中でもやはり喜多村さんが演じる奈緒という妹の存在が、個人的には気になっているところでもあり……」

喜多村「妹属性だ」

豊永「妹属性です。あ、言っちゃったな(笑)。僕も一人っ子なので、兄妹というものがどういうものなのかというのがわからないのですが、キャストの方々と『妹に憧れたりする?』なんて話にもなったりするので、実際に妹さんがいらっしゃる方の場合はどうなんだろうっていう興味もありますね。やはりこういうかわいらしい妹がいたら、もしかしたら俺もそんな風になっちゃっているのかなと、ちょっとギリギリのトークですけど(笑)、そういう感情を抱く気持ちをなんとなくですが理解してみようという気にもさせられました」

喜多村「奈緒ちゃん的に言えば、言わずもがな、彩葉だと思いますし、男性だったら、どこまでもお兄ちゃんの修輔だと思うのですが、喜多村が個人的に気になっているのは『静留』かな(笑)。お兄ちゃんが好きなゆえに、二次元でも三次元でも、お兄ちゃんの周りを取り巻くメスというものは気になってしまいますね(笑)。第一話のアフレコで声を聞いたときにめっちゃかわいいなと自分でも思ったところもあって、それに負けじと奈緒も乗っかっていくという流れだったのですが、お兄ちゃんの周りを取り巻くすべてのものが気になるといったところは、演じていてイタコってきたところかなという感じです」

井上「個人的に気になるのはAGE探検隊という謎の団体で、いろいろなことを研究しているらしいのですが、ぜひその研究内容を知りたいですね」

喜多村「知らないほうがいいよー」

井上「えー、楽しそうじゃない。男だったらぜひ加わりたいなと思います」

荒浪「私もAGE探検隊がすごく気になっています。どこをどこまで掘り下げていくんだろうという感じで(笑)。あと、お父さんとお母さんもすごく面白いなと思います。高梨家は面白い人が多いのですが、お父さん役の萩原さんがアフレコの途中でよく漫才をしていたりもしたので、すごく気になります」

――それでは最後に作品を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

豊永「アフレコ中の雰囲気はとてもいいです。キャストさんはもちろん、スタッフさんの連携、コンビネーションも非常にスマートなので、現場はすごくいい空気になっており、その空気感がそのまま、この作品を通じてお伝えできたらいいなと思います。ちょっぴり歪んだ愛情がありつつも、微笑ましくもあり、切なくもある。そういった作品に仕上げていけたらいいなと思っておりますので、視聴者の皆さんもぜひ楽しみにしていてください。よろしくお願いします」

喜多村「現場の空気がすごく良くて、私もいい意味でダレながら、アフレコに臨ませていただいております(笑)。『もふもふパンを食べて』というセリフで、完全に『もふもふパン』という単語だと私が勘違いしていたところを、逆にアドリブで掘り下げていただいたり、数年ぶりにリコーダーを吹いてみたり……このあたりは本当にオンエアを楽しみにしていただきたいですね。あと、オープニングテーマを奈緒ちゃんとして歌わせていただくのですが、楽曲は作品を代表するようなすばらしいテンポのいい曲調ですし、歌詞のほうもすごく女子力があって、私個人としても大好きな曲です。エンディングも女子3人で歌うのですが、どちらをオープニングにしてもいいのではないかと思うぐらい、作品の世界をそのまま音楽にしたようなすばらしい仕上がりになっていますので、オンエアが始まったら、提クレ (提供クレジット)が終わるまで、すべてを見逃さないでほしいなと思います。個人的には、『兄の観察日記』というCパートのようなところがありまして……」

豊永「兄は毎週楽しみにしています(笑)」

喜多村「楽しみにしていただいているようなので(笑)、全国のお兄ちゃんに向けても喜多村は頑張りますので、よろしくお願いいたします」

井上「非常にテンポやノリのいい作品なので、我々も非常に楽しくアフレコに臨ませていただいています。私は2話からの登場ということで、現場に来るまではどういう雰囲気なのかという緊張もあったのですが、実際に現場も入ってみると、すごく温かい雰囲気で、非常にリラックスしてアフレコに臨むことができました。登場する人物にいろいろな性癖があって、ちょい変態というだけでもなかなかない作品だと思うのですが、特に女子のほうがより濃度の高い変態という作品はあまりないと思いますので、そのあたりが見どころになるのではないでしょうか。たぶん皆さんそれぞれに、いろんな性癖があると思いますが、そういう性癖を一切否定されず、全肯定してくれる作品なので、そういう意味ではすごく間口の広い作品になっておりますので、ぜひ観てください」

荒浪「ヒロインの一人という大役を演じさせていただくのは今回初めてなので、現場に来るまではすごく緊張していたのですが、皆さんが温かく、そして優しく迎えてくださったのでとても良かったです。でもやはり緊張して、マイクの前に立つと心臓の音がのってしまうのではないかと思うぐらいバクバクバクバクしているのですが、繭佳ちゃんが緊張しているわけではないので、ちゃんとお芝居を、そして繭佳ちゃんを大切にしながら頑張っていきたいと思います。ぜひ観てください。よろしくお願いします」

――ありがとうございました



2011年1月より放送開始となるTVアニメ『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』。そのオープニング主題歌で高梨奈緒 (cv. 喜多村英梨)が歌う「Taste of Paradise」およびエンディング主題歌で高梨奈緒 (cv. 喜多村英梨)、土浦彩葉 (cv. 井上麻里奈)、近藤繭佳 (cv. 荒浪和沙)が歌う「アリアリ未来☆」が、それぞれ2011年1月26日発売予定となっているので、こちらもチェックしておきたい。

■TVアニメ『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』おもなスタッフ
原作 / 草野紅壱◆連載 / WEBコミックハイ! (双葉社刊)◆企画 / 森山 敦◆監督 / 元永慶太郎◆シリーズ構成 / 大場小ゆり◆キャラクターデザイン / 平山 円◆音響監督 / えびなやすのり◆音楽 / 菊谷知樹◆音楽制作 / スターチャイルドレコード◆アニメーション制作 / ZEXCS◆製作 / お兄ちゃん観察隊

■TVアニメ『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』おもなキャスト
高梨修輔/豊永利行 ◆高梨奈緒 / 喜多村英梨◆土浦彩葉 / 井上麻里奈◆近藤繭佳 / 荒浪和沙◆楠原尋乃 / 白石涼子◆加藤春華 / 中村繪里子◆高梨修司 / 荻原秀樹◆高梨菜々香/大原さやか◆岸川啓一郎 / 立花慎之介◆山代拓実 / 松本健太◆黒崎大吾 / 市来光弘◆担任 / 森谷里美
(C)草野紅壱・双葉社/お兄ちゃん観察隊