9月15日、政府・日銀が大規模な為替介入をした。それまでのドル円為替相場は、じりじりと円高傾向に進んでおり、9月14日、為替介入に消極的といわれていた菅直人首相が民主党代表に再選されると、相場はさらに円高傾向に動いた。一時は82.92円という15年3カ月ぶりの高値水準に達したが、15日午前10時30分過ぎ、政府・日銀の為替介入により10分で約1円の円安となった。その後も円売り・ドル買いが進み、結局深夜には、3円近く円が安くなるという急激な動きになった。

「為替介入」はチャンス? それともピンチ?

ところで、FXをしている人にとって、このような為替介入は、「チャンス」なのだろうか、それとも「ピンチ」なのだろうか? 結論を言えば、"きちんと"FXに向き合っている人にとっては大チャンスだ。"きちんと"の意味は、「ポジションを持つ時には、必ず損切り注文を入れておく」ということだ。この基本をしっかりやっておけば、買いポジションの場合、相場が急激に上がれば、大幅な利益が得られる。一方、裏目に出て、売りポジションだったとしても、いつも通りの損切りが行われるだけ。大きな利益を拾える可能性の方がはるかに大きいといえる。

ひまわり証券の『エコトレFX』を利用している個人投資家たちにとっても、為替介入は"思いがけないボーナス"となった場合が多いようだ。

「エコトレFX」利用者全体の証拠金残高の総額は、介入前(9月13日)と介入後(9月17日)を比べると、13%も増加しているのだ。もちろん、口座から証拠金を引き出した人もいるので、正確な値ではないが、為替介入を境にエコトレFXの顧客の資産が、平均13%以上増えたと考えてもいいのではないだろうか。

エコトレFXは、手数料無料、使用料無料の完全自動売買FX取引システムだ。通貨ペア8種類、取引システム7種類が用意され、日足、時間足も選ぶことができる。合計約100種類あるシステムから、希望のシステムを選ぶだけで、後は取引から決済までを完全自動で行ってくれるのだ。もちろん、損益率はシステムによって異なるものの、最高のものでは、年間損益率が20%を超えているものもある。

ラッキーな部分もあった、「MAマスター ポンド円」

このエコトレFXが、為替介入の直後に、どう活躍をしたのかを見てみよう。

もっとも大きな利益を生み出したのは、『MAマスター ポンド円』と『MAマスター ユーロ円』の二つのシステムだ。特に「MAマスター ポンド円」は、為替介入の前後で+506ポイントという大幅な利益を生み出した。これは1万通貨単位を投資しておけば、5万600円程度の利益となる計算だ。ポンド円を1万通貨売買するのに必要な最低証拠金は、約2万6,000円程度(購入通貨額の2%)だから、お小遣いぐらいの投資で、休暇に近場の海外旅行にいけるぐらいの利益が出たことになる(ただし、証拠金の他に余裕資金も口座に入れておくべき)。

『MAマスター ポンド円』

エコトレFXのシステムは、「順張り型」、「逆張り型」、「短期トレード型」の3種類に分類できるが、MAマスターは、順張り型。順張り型とは簡単に言えば、相場が上がったことを確認したら買いポジションを入れ、相場が下がったことを確認したら売りポジションを入れるという、"素直で分かりやすい"ロジック(正確には、2種類の移動平均の乖離率が縮小、拡大に転じる局面でポジションを入れる)となっている。

このMAマスター ポンド円、ユーロ円は、為替介入による上げ幅を大きく取ることができている。もし、裁量でやっていたら、なかなかこうはいかなかっただろう。為替介入は相場の動きとは関係なく、なんの前触れもなく突如として始まるものだから、10時30分過ぎに相場が急上昇を始めても、それが介入であることに投資家が気がつくのには、ある程度の時間がかかる。

なぜなら、介入なのか、それとも投機筋の買いなのかは、見分けがつかないからだ。投機筋の買いであれば、数十銭あげたところで、今度は急激に下落に転じることもある。つまり、人間だと、いろいろなことを考えてしまい、買いポジションを入れるタイミングが遅くなってしまいがちだ。

一方、急上昇を続けている最中も、人間は不安になる。「もういい加減、反転下落するのではないか」と考えてしまうからだ。そして、まだ上昇している最中に、利益確定の決済をしたくなってしまう。相場の世界では、『鯛の頭と尻尾はくれてやれ』という格言があるが、それは欲張りすぎることを戒めたもので、だれだって"頭"も"尻尾"もいただけるのだったら、それに越したことはない。人間には難しいが、システムにはそれができる場合も多いのだ。

『MAマスター ユーロ円』

ただし、システムだから全て、「頭も尻尾もいただける」というわけではない。実は、MAマスター ポンド円、ユーロ円にはラッキーな状況があった。ポンド円のチャートをよく見ると、MAマスターは14日0時ごろに売りポジションを入れている。相場が下げに転じると見たからだ。そして、14日深夜、相場は小幅ながら上昇に転じる。ここで売りポジションを決済、連続して買いポジションを入れている。これがよかった。同様に、MAマスター ユーロ円も、14日0時ごろに売りポジションを入れ、14日深夜に上昇に転じたため、売りポジションを決済、すぐに買いポジションを入れている。

為替介入の10時間前に小さな上昇があったのがラッキーだった。MAマスターは為替介入による上昇そのものに反応したのではなく、その10時間前に起きた小さな上昇に反応していたのだ。その後、大きく下落することなく為替介入による上昇が始まったので、上昇幅を大きくとって利益に転換していくことができた。