俳優の上川隆也らが4日、都内にて開催された演劇集団キャラメルボックスの創立25周年記念公演第4弾『サンタクロースが歌ってくれた』の製作発表に出席した。

「初めて観る方にも心底喜んでもらえるように、やれることは全部やりたい」と上川。
同作の舞台はクリスマスイブの晩。大正時代が舞台の映画のスクリーンから芥川龍之介、平井太郎(後の江戸川乱歩)ら登場人物たちが現代の東京に飛び出して来て…!?

同作は、脚本・演出を担当する成井豊が「今まで書いてきた中で一番出来がいい」と語る同劇団の代表作。13年ぶり4度目の上演となり、主役の3人を演じるのは過去3回の公演にひき続き上川、西川浩幸、近江谷太朗というおなじみのトリオ。実は今回の公演は、昨年退団した上川の提案によるもので、同じく元同劇団員の近江谷も出演を快諾したことで実現した、まさに"25周年ならでは"の公演となっている。

今年で45歳を迎えた上川は、「キャラメルボックスに入って、はじめて大きな役をもらった作品です」と話し、「25周年の"お祭り"として打ち上げ花火をあげる気持ちで演じたい」と初演から21年経った今、同作を演じることに感慨深げ。一方、西川は「青年役を演じるのに不安はありましたが、みんなエネルギッシュ。本読み開始10分で声が枯れるほどです(笑)。2人とまた演じることが楽しみ」と笑顔を見せていた。

また、自らを"辛口"という近江谷は「1,000本以上の舞台をこれまで観てきているが、このお芝居は絶対に面白い!」と猛アピール。「劇団を辞めた後は孤独な日々が続いていたので(笑)、キャラメルボックスの稽古場はあたたかい! ボケをひろってくれるんです。幸せです」と9年ぶりに古巣へ戻ってきた喜びを語っていた。

会見の途中では、マイクなしで話し出した近江谷。上川が止めるも「舞台俳優なんで、大丈夫です!!」

ポスター撮影を振り返り、近江谷がボケ、上川がツッコミ、西川が見守るといった「変わらない関係が嬉しかった」と西川

「25周年の締めくくりにふさわしいものになると思う。1人でも多くの人に見ていただきたい」と成井

同作は、25周年公演のラストを飾るとあって、舞台音楽も豪華。使用する16曲全てを「過去にお世話になった方々に書き下ろしてもらっている」(成井)という。さらに、同劇団の若手キャストを中心とした10日間限定企画『サンタクロースが歌ってくれた ~アナザーキャスト 10days Limited Version~』(サンシャイン劇場/11月18日~28日)の上演も決定している。

「前日飲みすぎてオーディションに遅刻したのに受からせてもらったおかげで生きてこれた」という近江谷に続き、西川が「僕もこの作品のおかげで生きてこれた」としみじみつぶやくと、「みんなそんなに死にそうだったの!? びっくりするわー」と上川

『サンタクロースが歌ってくれた』は、サンシャイン劇場(東京・池袋)にて11月30日~12月25日までの期間で上演(地方公演あり)。詳細はこちら。なお、前回(1997年)上演時の若かりし3人の様子はこちらより確認できる。