9月11日都内某所。音楽劇『ACT泉鏡花』の稽古のため、アイドルグループ「AKB48」の秋元才加、仲川遥香、片山陽加、佐藤亜美菜、「SDN48」の浦野一美が現れた。

ACT泉鏡花では、作家・泉鏡花と、彼が愛した芸者すゞを軸にした4つの物語が描かれる。今回、AKB/SDN48のメンバーは各物語の登場人物を演じるほか、AKB48の楽曲『月見草』、『飛べないアゲハチョウ』、『桜の栞』や、舞台のためだけに書き下ろされたオリジナル曲を披露することになっているのだ。

"無防備なエロス"もアリ…? アイドルたちの稽古現場

ミッキーマウスをモチーフにしたTシャツ姿の秋元ほか、稽古着もそれぞれ個性を出しているが、稽古開始を待つスタイルも5人5様。イヤホンを耳に音楽を聞きながら黙々とストレッチを続ける秋元、スタッフに笑顔を振りまきながら、ブリッジをした状態で稽古場を動き回る仲川、「ファンの方からいただいたんです!」という自身の名前入りスニーカーを脱ぎ、真剣な眼差しを見せる佐藤亜美菜――。

この日の稽古は、舞台のはじまりとなる物語『絵本の春』冒頭シーンの振付。舞台のために編曲された『コワレタイ』を5人揃って初めて練習するという。

「よろしくお願いします!」

挨拶の声とともに、振付を担当する前田清実が歌いながら5人の動き、立ち位置を細かく指導していく。

一度振付けられただけで、それぞれが不揃いながらも、こなしてしまう習得の早さは日々、AKB48劇場で磨かれたセンス故だろう。ほかのメンバーが注意されているちょっとした間にも、小声で歌を口ずさみながら振付を何度も繰り返し確認しているのは、"真面目"と周囲からも一目置かれる秋元だ。

「はい、ヒップロール! ヒップを回し続けて!!」

前田が「無防備なエロス!」と叫んでも、笑いながらも体を動かすことはやめない。

プロ意識の高さもすごい…! と息をのんで見守っていると、ムードメーカーの"はるごん"こと仲川が亜美菜の手をひっぱったり。「ここは、すとんって動いてね」という振付家の言葉がツボにはまったのか、「すとん!」「すとんっ!」と上下に頭を振りながら、メンバーに絡んでいく。

「ミニ丈の衣装を着るんですよね? 見えちゃわないかな(笑)」
とハードに動く振付に対し、"女の子"の一面を見せるのは、浦野。
「このポーズは胸おっきく見えない?」なんてガールズトークも、女子だけの空間ならではだ。

何度やってもフォーメーションがうまくいかないときには、振付家に指導される前に、メンバー同士で声をかけあってなおしたりと、AKB48が"クラブ活動"にも例えられるのも納得。「みてみて、できてる?」と笑顔を崩さない仲川に、「できてない!(笑)」と秋元が一喝すると、「ターンが難しい…」と悩んでいた亜美菜の顔にも笑顔が。緊張していたメンバーの表情も一気にほぐれる。

この日、13時から開始された稽古は、5時間にもおよぶ長丁場に。

「いいね?」
「はーい」「はいっ」

振付家の言葉に最後まで元気よく応える5人の姿が印象的だった。
いまやテレビで見ない日はないと言ってもいいほどの人気っぷりを誇る彼女たちに、今回の音楽劇にかける想いを聞いた。

……次ページからは、秋元才加、仲川遥香、佐藤亜美菜によるガールズトーク! 恋バナも!?