「第3回 したまちコメディ映画祭in台東」の最終日となった20日、映画『ヤクザガール』が上映された。会場となった浅草公会堂では舞台あいさつとティーチ・インが行われ、セルゲイ・ボドロフ監督、グカ・オマロバ監督ほか、主演の荒川ちか、六平直政、佐藤佐吉、山神佳誉が登壇した。

映画『ヤクザガール』の舞台挨拶を行った荒川ちか 拡大画像を見る

『ヤクザガール』は、日本とロシアを舞台としたコメディー作品。組同士の抗争が表面化し、孫娘の百合子(荒川)に危険が及ぶと判断したヤクザの組長・山田(六平)は、彼女をイタリアでかくまうことに。しかし、ひょんなことからロシアにたどり着いた百合子は、さまざまな人々と出会いながらドタバタ逃走劇を繰り広げていく。日本での公開日は未定。

2006年に米国アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた『モンゴル』を手掛けるなど、世界的な評価を受けるボドロフ監督は、「以前からコメディーを撮ってみたいと思っていました。『モンゴル』で浅野忠信さんとご一緒したことで、日本人俳優に興味を持っていたんです」と企画意図を説明。そんな世界的巨匠に、当時10歳(現11歳)ながら主役に抜擢された荒川は、「完成した作品はウラジオストク国際映画祭でも見たけど、あの時は日本語字幕が無かったので良く分からないところがあったんです。でも、今日は字幕付きだったのでやっと全部の意味が分かりました(笑)」と初々しくコメント。劇中ではロシア語のセリフだけでなく、ワイヤーアクションなどにも挑戦しており、「撮影のために剣道も習ったんですけど、ずっとやってみたかったのでうれしかったです。ワイヤーアクションも楽しかったし、次はアクション映画に出てみたいな」と話し会場を沸かせた。

映画初主演を果たした荒川は、これまでにドラマ『歌のおにいさん』、『臨場』(ともにテレビ朝日系)などに出演している

左から佐藤佐吉、グカ・オマロバ監督、荒川ちか、セルゲイ・ボドロフ監督、六平直政、山神佳誉

組長役の六平が「撮影のためとはいえ、ひとりでウクライナに向かうのが怖かった……」と話す一方、荒川は現地での撮影も元気いっぱいに乗り切ったという。ボドロフ監督と共に演出を担当したグカ監督は、「ちかのプロ根性を見たすべてのクルーが彼女を愛していました。ロシアではすでに大スターなんですよ」と話し、"国際派女優"としての荒川に太鼓判を押した。

(c)CTB Film Company, Kinofabrika GmbH, Ltd., Tengri Productions, LLC 2010