あくまで万人ウケを狙ったキャラクター設定


──乙葉しおりを見ると、アニメ好きなど特定のファン層を狙ったような印象を受けます。どのようにキャラ作りを進めたのですか

永遠の高校2年生「乙葉しおり」。Twitterでも日々しとやかにつぶやく。しおりちゃんTwitterはこちら

あくまで、万人ウケしやすいキャラ作りを心がけていましたから、特定の人たちを狙ってキャラ作りを進めたわけではありません。逆に「秋葉系」「萌え」に相当するような要素は極力抜いていきました。

キャラ作りでイメージしたのは、図書委員です。物静かな感じがして、誰にでも受け入れられやすい。そんな図書委員をイメージしながらキャラ作りを進めていきました。

結果的に、ユーザーを大別すると、朗読が好きな方と、乙葉しおりを気に入って下さる方とに分かれてしまいますが、キャラ目当ての方々にも本の楽しみを知ってもらえるわけですからうれしい誤算でした。あとは、想定していた以上に幅広い年齢層のユーザーがつきましたね。

細部にこだわったアプリ開発


──読書習慣のない人を取り込む工夫はどのようなものがありますか

読書をするときは、けっこう根気が必要ですよね。目も疲れますし、ページをめくるのが面倒だったり。一度、読むのを中断した本をもう一度開くとなれば気力が必要になります。それをどうにかしようと考えて、聞き手にインセンティブを与えるしくみを作りました。

たとえば、iPhoneのタッチパネルを通じて、乙葉しおりに触れることで、彼女から話しかけてもらえたり、アプリの起動時間が長いと好感度が上がって、彼女の言葉が親しみのあるものに変わっていくようになっています。

なるべく、アプリに触れる時間を増やして、コンテンツに触れてもらうことで、読書習慣のない人にも本の楽しみを知っていただけるような設計になっています。アプリの開発ではこのインセンティブ設計にものすごく力を入れました。

──ほかにどんなところに力を入れましたか?

好感度の設定以外にも、様々なこだわりを入れています。

乙葉しおりの一つひとつの動きがスムーズになるように注意を払いましたし、声優選びでも、かなりこだわって人選をしました。これも特定のファンをつくるのではなく、万人受けしやすいように、配慮してのことです。

朗読の面でも、キャライメージに合わせたものにしています。声優の声を普通に入れていくと、上手に読めてしまうんですよね。けれども、乙葉しおりは高校2年生の女子高生なので、声優並みに上手に朗読できてしまうと、リアリティに欠けてしまう。キャラに合った演技・演出に徹底的にこだわりました。……つづきを読む