欧州時間に発表されたGDPの数値を受けて株式市場は堅調に推移するも、景況感に加え、イタリア国債入札が嫌気されたうえに中銀筋の売りが入ったことで、ユーロは反落。その動きに、ロンドンFIXの需要も入ったことで、ドル円は96.40近辺まで上昇。

そして、米経済指標の内容は強弱入り混じる内容で、ミシガン大消費者信頼感指数が若干市場予想を上回ると、週末前のポジション調整が優勢となり、ドルの買い戻しと株式市場も反発。ユーロは、ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)からの売り圧力も加わり、さらに下値模索となって1.2750近辺まで下落。ただ、アジア中銀系の買いが観測され、小売・ハイテクの企業決算が芳しくなかったこともあり、ユーロは安値圏でもみ合いとなった。

本日の主な経済統計

・08:50 4─6月期GDP1次速報値

・18:00 7月ユーロ圏消費者物価指数改定値

・21:30 8月NY州製造業業況指数

・26:00 8月米住宅建設業者指数(NAHB)

本日の主な決算

キリンホールディングス

きょうはアジア時間に日本のGDPが発表予定。内容としてはエコカーポイント対象製品改訂に伴う駆け込み需要の反動、高校授業料無償化などから個人消費が押し下げられ、輸出拡大のペースも鈍化していると見られ、2%前半台の成長に留まると予想されている。ただ市場の関心は前週から引き続き海外とドル円の動向に傾いており、特別なサプライズがない限り、市場の反応は薄い可能性も。よって、GDPの内容を確認した後は、本日午後から明日の夜にかけて多く予定されているアメリカの経済指標発表を見極めたいとする投資家が主流となり、様子見姿勢が強まるか。

ドル円相場はどうなるか。今週にも、菅直人首相と白川方明日銀総裁が会談を行い、円高の状況や対応について話し合う方向で調整していると伝えられていて、その動向は見守りたいところ。金曜日のドイツ・欧州GDPの大幅改善に見られたように、自国通貨安がある程度景気を下支えしている。

その逆の立場にある日本にとって、長引く自国通貨高は輸出大国としては痛いところ。とくに85円からの円高は多くの輸出企業の想定レートを下回ることとなり、活性化しそうな輸出企業の為替予約(ドル売り)もさらにドル円の上値を抑えそう。ドル円が下落すれば、日本225種も9,000円台を視野に下値を模索する展開となるか。ドルは対ユーロでテクニカルからみた節目の水準にあり、現在の1.2770-80近辺(6月上旬からの上昇の38.20%戻し)がサポートされ維持できるかに注目か。

ユーロドル 日足

米国テク株100種株価指数 日足