内閣府は9日、7月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する7月の現状判断DIは、前月比で2.3ポイント上昇し49.8だった。3カ月ぶりの上昇。猛暑の影響で、エアコンを中心に夏物商品の販売が好調であることなどが理由。基調判断は「厳しいながらも、持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。

家計動向DIは、前月比で3.2ポイント上昇の49.4。「飲料や氷菓子、紫外線対策商品、エアコン、機能肌着といった猛暑対策商品を中心に売上が伸びている」(近畿/スーパー)という声にあるように、家電エコポイント対象商品であるエアコンを中心に夏物商品の販売が好調であった上、エコカー購入補助終了(9月末)を前に乗用車の駆け込み需要があり、上昇した。業種別では小売り関連が前月比4.1ポイント上昇の50.9、飲食関連が同5.1ポイント上昇の45.8、サービス関連が同0.9ポイント上昇の48.0、住宅関連が同2.0ポイント上昇の45.6だった。

企業動向関連DIは前月比0.9ポイント上昇の48.2。販売価格の引き下げ圧力は強いが、受注や出荷が持ち直している。製造業・非製造業別にみると、製造業は前月比0.8ポイント上昇の49.2、非製造業は同1.1ポイント上昇の47.7。「本来夏場は売上が低下するところだが、販売量、受注量は少し伸びている」(中国/食料品製造業)、「債務整理の相談が減っている」(北陸/司法書士)などの声が聞かれた。

雇用関連DIは、一部で新規求人の増加もあるが、正規職員の採用を中心に企業の慎重な態度が続いていることなどから前月比で0.8ポイント低下し55.5だった。

一方、2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月比で1.7ポイント低下の46.6となり、3カ月連続で悪化。特に「雇用」は前月比で2.3ポイントも悪化した。「エコカー補助金終了後の製造業の動向はまだ定まっていない。不確定要素は多い」(東海/求人情報製作会社)という声もあるように、エコカー購入補助の終了が自動車の販売や生産・雇用面に与える影響を心配する声が多かったほか、円高による業績圧迫懸念も目立った。