『エコトレFX』の運用成績が"すごいこと"に

投資だけに限らないと思うが、人生に必要なのは、自分自身を客観的に俯瞰できる能力だと思う。冷静に自分を眺められる力さえあれば、ある時ははしゃいで踊っていても、問題はない。むしろ、一時的に"踊るアホウ"になった方が人生をより楽しめる。俯瞰能力さえあれば、踊り疲れて倒れてしまうようなこともない。ということで、私は今、毎日"小躍り"している。ひまわり証券の『エコトレFX』の運用成績がすごいことになっているからだ。

この企画は、6月29日午前10時~7月29日午前10時の1カ月間に、一つのシステムで、1万通貨単位を投資してみるというもの。8月1日からはレバレッジ規制が施行され、取引額の2%の証拠金が必要になったが、7月末までは、レバレッジ100倍でも取引ができた。

結果として、3万9,000円ちょうどの利益がでた。決して少なくない額だ。規制後のレバレッジ50倍でも、20万円ほどの証拠金を入れて、5万通貨単位前後の取引をするというのが標準的なところだろうから、もし5万通貨単位で運用していれば20万円弱の利益となったわけだ。ただ、もちろん、これはとらぬタヌキの皮算用。たまたま私が利用した「MAマスター」が好調であったこと、ユーロの価格が順調に上昇したこと、ドルが不調で下降気味であったこと、さまざまな好条件が重なった結果であり、"ビギナーズラック"であることは間違いない。

以下は、ユーロ/ドルとのチャート上(60分足)に、トレードのタイミングを入れた図。緑の上向き矢印が「買い」、赤の下向き矢印が「売り」、二重矢印は決済だ。見て分かる通り、ユーロは順調に上昇しており、順張りであるMAマスターには有利な場だった。買い仕掛け、売り仕掛けは同数だが、売り仕掛けではマイナス約1万6,000円の損失となっており、ほとんどが買い仕掛けで利益を出している。上昇トレンドが切り替わる時期に、MAマスター以外のシステムに乗り換えるか、分散投資させることを考える必要がでてくると考えている。

スマートフォンでのチャートチェックがお薦め

「エコトレFX」の素晴らしいところは、FXをやっていても、それに煩わされることがほとんどなかった点だ。考えることは、通貨ペアとトレードシステムの組み合わせをどう選ぶかということで、そこさえ決めてしまえば、あとはシステムに任せておくだけだ。もちろん、ポジションを持っているときにトレードシステムを停止すれば、強制的に決済できるが、私のような素人は、勝手なことをしない方がいいに決まっている。すべてをトレードシステムに任せておくのが最も利益が上がるだろう。

一応、iPhoneにFXのチャートが見られるアプリを入れて、ちょっとした合間にちょこちょこ見ることもできるし、iPhoneからひまわり証券のWebにアクセスして、操作をすることも可能だ。しかし、基本的にそういったことは必要はない。気になるから見てしまうだけであって、操作はせずに、家に帰ってから一日一回、結果を確かめるというやり方で十分なのだ。

よく、投資を始めたことで、本業がおろそかになったり、仕事や生活に影響を及ぼしてしまう人がいるという話を聞くが、エコトレFXに限っては、そのようなことは一切なかった。エコトレFXは、仕事を持っている人のための、素晴らしいトレーディングツールだと思う。

とはいえ、実はやっぱり少し気になるので、一日何回かチャートはチェックした。エコトレFXをやるのであれば、スマートフォンを用意して、簡単にチャートをチェックできるアプリと、ひまわり証券のサイトにアクセスできるインターネットブラウザは用意しておいた方がいいだろう。

スマートフォンがあれば、チャートのチェックは10秒ほどでできるので、仕事の合間の休憩時や移動しているときの電車待ちなどの時間を利用する程度で十分。私の場合は、毎日10回程度はチャートをチェックするようになったが、いずれも隙間時間を利用するというやり方で問題は感じなかった。

以下、MAマスターの成績をグラフにしてみた。棒グラフはトレードでの損益。折れ線グラフは累積の利益だ。損失の回数は決して少なくないが、いずれも4000円弱であることに注意していただきたい。トレードシステムが損切りを自動で行ってくれるからだ。これを裁量でやっていたら、何回かは大きな損失をだしていたことだろう。

初心者にも適した「エコトレFX」、スキルも上達

チャートのチェックぶりは、自分のトレーダーとしてのスキルを認識する手がかりになる。よく「初心者は損切りができない」と言われるが、そういう印象はなかった。しかし、今後、経験を積みあげていって、例えば10万通貨ぐらいの取引をするようになれば、損切りがきちんとできるかどうかはわからない。私のレベルでは、「着実にルール通りの損切りができるようになる」というのは、まだ将来の課題なのだと思う。

一方で、直近で身につけなければならない資質は、「ルール通りの利益確定ができる」ということだと感じた。ポジションをもっているときに、評価益が4,000円ぐらいになってくると、もう決済したくてしたくてしかたなくなるのだ。もちろん、結果的にそこで強制決済しておけば利益が確定していたということもあるし、そこで決済してしまったらかえって利益を小さくしてしまっていたということもある。

いずれにせよ、目の前に利益をぶらさげられると、それがより大きな将来の利益を生む可能性があるにも関わらず、着実に利益をとってしまいたい誘惑にかられるのだ。しかし、これをやっていたら、1万円を超える利益などとれなかったわけで、トータルでは損をしていたことになるだろう。勝ちトレード回数は12回あるが、そのうちの5回が9,000円を超える大勝ちなのだ。

前回も触れたが、エコトレFXは、初心者がFXを実践で学ぶためにも非常に適していると思う。学ぶためには、常に「裁量でやっていたとしたら、自分ならどうしたか」という視点で眺めておくことが大切である。

初心者でも、5万円程度の資金で(よほどのことがなければ、そう増減しない)、ドキドキ、ハラハラのスリルを味わえ、自分のスキルも上がっていくという、素晴らしいツールになる。エコトレFXの「トレ」とは、もちろんトレードの「トレ」なのだが、私にとっては、トレーニングの「トレ」を意味しているようにも思える。

※ 以下は、企画期間中のトレードをまとめた表。MAマスターの過去のトラックレコードと比較すると、勝因は平均利益の高さにあることがよく分かる。ここからもMAマスターは順調なトレンドが出ているときには、勝ちトレードでの利益が大きくなるので利益が出せるということが分かる。先行き不透明なもみ合いの場になると、勝率などはさほど変わらなくても、勝ちトレードでの利益が小さくなるようだ。
日付 利益 損失 損益計
2010/07/01 3,334 -7,487 -4,153
2010/07/02 13,586 -4,335 5,098
2010/07/03 5,098
2010/07/04 5,098
2010/07/05 5,098
2010/07/06 5,098
2010/07/07 4,611 -2,870 6,839
2010/07/08 3,891 10,730
2010/07/09 -2,157 8,573
2010/07/10 8,573
2010/07/11 8,573
2010/07/12 8,573
2010/07/13 -2,986 5,587
2010/07/14 5,587
2010/07/15 -4,758 829
2010/07/16 14,547 -2,881 12,495
2010/07/17 12,495
2010/07/18 12,495
2010/07/19 12,495
2010/7/20 2,463 14,958
2010/07/21 9,456 -3,901 20,513
2010/07/22 3,884 24,397
2010/07/23 9,702 -5,110 28,989
2010/07/24 28,989
2010/07/25 28,989
2010/07/26 28,989
2010/07/27 9,600 38,589
2010/07/28 3,599 42,188
2010/07/29 105 -3,293 39,000
累計 78,778 -39,778 39,000
勝率 54.55%
総利益 78,778
総損失 39,778
平均利益 6,565
平均損失 3,978
平均利益/平均損失 1.65
平均損益 1,773
1取引最大益 14,547
1取引最大損 -7,487
最大ドローダウン -9,901
最長連敗回数 3
総トレード数 22
勝ちトレード数 12
負けトレード数 10
売買頻度 5.5回/週