社内考案のキャラクターがコミック誌でも連載

――「回転むてん丸」のキャラクター誕生のきっかけは?

当社の企業理念である「食の戦前回帰」を伝えるためにキャラクターを活用しようと、社内で考えたキャラクターです。いまだにパートさんやアルバイトさんにもアイディアを出してもらいながら、全スタッフで新キャラを考案しています。最初は当社のオフィシャルサイトでのおはなし(漫画)連載や店舗でのグッズ販売などで展開していたのですが、今では小学館のコミック誌『コロコロイチバン! 』でも連載され、人気を集めています。

「回転むてん丸」のキャラクター。左上が「むてん丸」

――「くら寿司」を飛び出しての展開ですね。

くらコーポレーション東日本広報宣伝部リーダーの中野浩さん

そうですね。お店に来ていただくお客様以外の方々にキャラクターを知っていただくための大事な露出だと思っています。また、キャラクターグッズもだんだん増やしていて、カードやシール、ソフト人形やマグカップなども販売しており、喜ばれています。シールは1パック6枚入り、カードも4枚入りで共に50円(税込)。低価格で提供できるのは、デザインなどを全て社内で手がけているからです。

――キャラクターは全部で何種類ですか。

侍姿の「むてん丸」を筆頭に、店名の「蔵」をイメージした「くら吉」、「くらら」など、現在は全部200種強。今後もどんどん増やす予定で、常に社内で新キャラ案を練っています。

――他に子どもを意識したサービスは?

レーンに流れているすし以外に、タッチパネルで好みのすしを注文することができるのですが、一部店舗では注文していただいたすしが、専用の「くら注文レーン」で運ばれるシステムを採用しています。すしが出来上がると、「回転むてん丸」デザインのボードにのせられ、レーンを流れて各客席に到着します。結構な速さでレーンを流れてくるので、子どもたちには喜ばれていますね。

通常のレーンとは別に「くら注文レーン」を設ける

1皿100円で展開する「あぶり寿司」や「天ぷら」

――メニュー面では、「あぶり寿司」も印象的です。

店舗ですしネタの表面を軽くあぶって提供しているメニューで、「あぶりチーズ豚カルビ」や「あぶりサーモン」など、全4種を揃えています。全て1皿100円で、「100円なのに手間をかけている。あったかいすしが旨い」とリピーターも多いです。もともとお客様のご要望にお応えしたメニューで、地域限定でのスタートでしたが、現在はほぼ全店舗での展開となっています。

――メニュー開発には積極的にお客の声を取り入れているのですか。

もちろんです。例えば、1皿100円で提供している天ぷらもそうです。注文ごとに揚げるのでアツアツサクサクで、できたての旨さが手ごろな価格で味わえるのが魅力となっています。「たこネギ天」や「イカ天」など、柚子ポン酢や塩などで食べてもらうのもオススメです(※天ぷらは一部店舗では未導入)。

揚げたての天ぷらメニューも1皿100円で

――最後に、今後の展望を教えてください。

当社は大阪で創業した回転ずしの企業ですが、2002年に関東進出を果たしました。回転ずし業界では後発企業となりますが、家族客向けにボックス席を備えた直線型タイプのレーンをいち早く導入し、先にお話しました「時間制限管理システム」も導入し、また、四大添加物の無添加を貫くなどの取組みを行ってきました。こういった一連の取り組みが、今日の人気の要因になっていると思います。

長年大切にしているのは、お客様のニーズをすぐに取り入れて、お客様に喜ばれる店づくりを徹底すること。すし飯を使った「手巻きオムライス」(100円)などのユニークな子ども向けメニューは、こういった考えから生まれたもの。一方で大人も満足できるよう月1回程度実施しているフェアで、ブランドずしとして提供する一皿200円の「本まぐろ中とろたっぷり」など、ちょっと贅沢な商品も揃えています。今後も家族皆様で楽しめる"地域一番店"を各店舗で目指し、成長していきたいと思います。

※すし・天ぷらなどの価格はすべて税抜。