ユーザーからの声をもとに、いち早くEvernoteとの連携を実現させた超音波式デジタルペン『airpen MINI』。airpen MINIのデータをEvernoteに転送する方法や、この二つを組み合わせた使い方などについて、ぺんてる社デジタルペン営業部の田島宏さんにお話をうかがった。

Evernote対応デジタルペン登場

――airpen MINIはどのような製品ですか?

ぺんてる社デジタルペン営業部の田島宏さん

airpen MINIは専用のペンと小型の受信ユニットを一緒に使います。紙やノートの上部にとりつけた受信ユニットがペン先から出る超音波を拾い、筆跡情報を記録する仕組みです。

受信ユニットを付属のUSBコードでパソコンにつなぎ、専用アプリケーションairpenNOTE for MINI(以下airpenNOTE)を起動してデータを送れば、手書きメモがそのままデジタルメモとして表示されます。airpen MINIは手書きメモと同時にデジタルメモも書けるペンなのです。

――なぜEvernoteとの連携にいたったのでしょうか

airpenNOTEにもフォルダ管理やデータ検索など、Evernoteと同じような機能はあるのですが、対応できるファイル形式が限られていました。

その点Evernoteはテキストファイルをはじめ、画像や音声といったさまざまなファイル形式に対応し、Windows / Mac / iPad / iPhoneなどからも見られるマルチプラットフォームを展開しています。

そこでairpenNOTE からEvernoteにデータを簡単に転送できるようになれば、データを一元管理したいairpen ユーザーにとって大きなメリットになると考え、連携が実現しました。

――Evernoteへデータを転送する方法を教えてください

まず「airpenNOTE5.0 for MINI 」をダウンロードし 、Evernote連携ボタンが追加された専用アプリケーションを入手します。

それから転送したいデータを選択し、連携ボタンをワンクリックするだけでEvernoteにデータが送られます。

ちなみにairpenNOTEは出力データ形式が充実しており、TXT / PNG / JPG / PDF / SVG / その他の形式を選んでEvernoteに送ることができます。「設定」→「オプション」→「アプリケーション連携」→「出力データ形式」で選択可能です。

転送したいデータを選択し、連携ボタンをワンクリック

Evernoteにデータが送られる

ビジネスはもちろん料理や生け花にも!

――airpen MINIとEvernoteを組み合わせると、どんな使い方ができますか?

airpen MINIは企画書などをつくる前のアイデア出しに向いています。通常のボールペンと同じ感覚で書けるので、文章はもちろんイラストやラフスケッチも自由自在です。

その手書きデータをairpenNOTE を経由してEvernoteに送れば、ファイル形式が異なる他の資料と一緒に管理できますし、企画書完成までのプロセスもわかります。

またEvernoteはiPhoneなどのスマートフォンでも見られるので、出先や移動中でも必要なデータを取り出し、企画が練られるのもメリットです。

iPhoneなどのスマートフォンを使えば、出先や移動中でも必要なデータを確認できる

ライターや記者の方にもおすすめです。人と対面する時はあえて手書きでメモする場合も多いそうですが、あとでパソコンに打ち直す手間がかかります。しかしairpen MINIは手書きメモと同時にデジタルメモができますし、さらにEvernoteに送ってデータを一元管理すれば、どこに何を書いたかわからなくなることも防げるはずです。

ちょっとした備忘録にも

――ビジネスシーン以外でも使えますか?

料理番組を見ながらairpen MINIでメモ

もちろん趣味の分野にも活用できます。料理番組を見ながらairpen MINIでメモしたレシピと実際に調理した写真をEvernoteに保存している方もいます。

生け花教室に通っている方から聞いた話では、先生がホワイトボードに書く生け方の手順をairpen MINIでメモし、そのデータと完成した作品の写真をEvernoteにまとめているそうです。これからも利用される方一人ひとりの生活に応じて、いろいろな使い方が生まれてくることでしょう。

現在airpen MINIのユーザーは30~40代の男性ビジネスパーソンが圧倒的に多いのですが、ぜひ女性やご年配の方にも使っていただきたいですね。

広がるairpen MINIの可能性

――airpenNOTE5.0の提供がEvernote連携第1弾とのことですが、今後はどのような展開があるのでしょうか

airpenNOTE5.0は今のところWindows版のみですが、年度内にMac版も提供する予定です。

また、受信ユニットから直接Evernoteにデータを送ることも検討していますし、更に将来にはGPSを利用して手書きメモに位置情報を付け加えたりすることも可能になるかもしれません。

――airpen MINIはアナログとデジタル両方の利点を備えていますね

これまで手書きはデジタルと相反するものと考えられてきましたが、airpen MINIとEvernoteの連携で、手書きも一つの「ログ(記録)」としてデジタルの世界に認知されていくと思います。

もともと手書きは文章能力とイメージ力を使う高度な作業ですし、長い歴史もあります。パソコンや携帯電話全盛の時代ですが、私たちはairpen MINIで手書きの機会を増やしていくことには意義があると考えています。