保育園の送り迎えは大変だし、家では家事に追われ、ちっともゆっくりできない……。働くママの"イライラ"しがちな毎日を快適にしてくれるというマンションが埼玉県・戸田市に登場する。働くママをサポートする「ママサポ・プロジェクト」がプロデュースした。夜9時までの保育園併設やベビーカーのレンタルサービスなど、働くママ向けのサービスが充実。ワークライフバランスセミナーやパパ向け育児講座も開講するという。
このマンションはJR埼京線「戸田公園駅」徒歩8分に建設中の「グランシンフォニア」。有楽土地、平和不動産、NTT都市開発、ヒューリック、神鋼不動産の5社が開発する総戸数923戸の大規模分譲マンションだ。販売開始は9月から。現地モデルルームは8月下旬にオープン予定(物件の詳細は公式サイトで)。
"時短"の決め手はやっぱりマンション内保育園
「ママサポ・プロジェクト」は、小室淑恵氏(ワーク・ライフバランス代表取締役社長)と永井暁子氏(日本女子大学社会福祉学科准教授、現代女性キャリア研究所研究員)が発起人となり、今年4月に立ち上げたプロジェクト。"働くママが輝く環境づくり"を合言葉に、さまざまな企業が集まり、働く女性に役立つ情報の発信や、商品やサービスの提供を行っている。
同プロジェクトではこのマンションのプロデュースにあたり、働くママの現状についてアンケート調査を実施。忙しさを解消するサービスとして多くのママが「通勤途中にある保育所」を挙げていることに着目し、マンション内の保育園の設置にこだわった。マンション内であれば、送り迎えにかかる時間はほとんどない。特に雨のときや、遅くなったときにはママの疲労度も大きく違ってくるはずだ。
実際の保育園運営は「都市型保育園ポポラー」のタスク・フォースに委託する。「突然の残業やどうしても遅くなるときに対応してほしい」という声にこたえ、保育時間を夜9時までとし、一時保育(当日予約もOK)も可能にする。気になる仕事を残して退社したり、猛ダッシュで保育園に駆け込んだりする必要はなくなりそうだ。2カ月から10歳までを対象としているので、1人での留守番にまだ不安がある小学生の親にとっても心強い存在になるだろう。
働くママを喜ばせる"しかけ"があちこちに
とにかく忙しい働くママ。限られた時間に家事と育児をこなすには"時短"貢献度の高い設備や家電も欲しいもの。プレス向けに公開された同マンションのモデルルーム内には、赤い矢印で示した「ママサポポイント」がいくつも。たとえばキッチン。まずは時短家電の"定番"食器洗い乾燥機を標準装備。ディスポーザーやホーローキッチンパネルで後片付けがさっとすむはず。リビングには夜や雨の日の洗濯に便利な室内物干しも用意した。疲れはミストサウナ(標準装備)に入って解消できる。仕事中でも子どもの帰宅を知らせる携帯メールが届くセキュリティシステム「留守モードLite」も使用できる仕様の部屋もある。
共用施設も働くママを意識したものとなっている。「コンシェルジュデスク」では宅配便の発送など、「クリーニングデスク」ではクリーニングの受け渡しができ、家事をサポートしてくれる。ランドリーサロンも設置。布団を洗える大型洗濯乾燥機があるほか、スニーカーランドリーも用意する。珍しいのは、同プロジェクトのサポート企業アップリカによる「ベビーカーレンタル」のサービス。「たまには違うベビーカーで……」というときはもちろん、購入前の検討にも利用できる。
専業主婦に比べてママ友づくりが難しいともいわれる働くママ。同マンションでは、ほかの家族と自然な形で交流できるスペースも充実させた。子どもの遊び場とママパパの交流スペースが一緒になった「キッズ・ママラウンジ」や、焼きたてのパンを味わえる「カフェラウンジ」があり、同じマンションに住む家族と気軽に会話を楽しめる。カルチャースタジオもあるので、忙しい中でも、趣味や習い事で自分磨きができそうだ。
イクメン講座でパパを"改造"するのも働くママの「両立術」!?
このマンション、働くママ向けの講座やセミナーが充実しているのもすごい。サポート企業の協力を得て、居住者向けに育児や家事、ライフワークバランスについての講座を開く予定だ。たとえば東京ガスはガスコンロを使い4品を20分でつくる時短料理の作り方を紹介。ミストサウナを利用した美容・健康にいい入浴法を紹介するセミナーも開く。ワークライフバランススクールも開講し、パパや同僚・上司の巻き込み方なども伝授するという。
パパ向けの講座もそれぞれの道の"専門家"が指導する予定。NPO法人ファザーリング・ジャパンはイクメン講座を、東京ガスがお風呂での親子コミュニケーションを促進する「浴育セミナー」を、アップリカが「育児用品の選び方セミナー」を、といった具合だ。
働くママが「ほしい」と思う設備やサービスにとことんこだわったこのマンション。もっと"しなやかに"育児と仕事を両立したいというママには願ったり叶ったりだが、パパも住まいに"見合った"イクメンになる覚悟が必要かもしれない―。