名古屋市交通局は5日、市営地下鉄桜通線の新型車両「6050形」の営業運行を開始する。桜通線が来年3月に延伸開業するため、車両の増備が必要となり、2009年度に5両1編成を新製した。

名古屋市営地下鉄6050形。運行表示器が電光式になったほか、7人掛け席に縦手すりを設けるなど使いやすさを向上した

同車両は在来車「6000形」の外観デザインを踏襲しつつ、電光式の行き先表示器を搭載し、ヘッドライトの形状などを変更した。また、車両の床を2cm下げてホームとの段差を縮小し、手すりを増やすなど、乗客の使いやすさに配慮したという。さらに火災対策として、すべての連結部に扉を設置したとのこと。

客室の配色は大きく変更され、6000形では白系だったデザインが暖色系にまとめられた。壁や天井は明るいブラウン、床は茶色、座席はバケットタイプで赤の柄入りとなった。優先席は座席の色と手すりの色を変えて明確化したという。

制御装置は回生ブレーキ付きのVVVFインバータを採用した。また、空転・滑走制御に対して検知遅れが少ない「PGセンサレスベクトル方式」の採用で、列車の停止直前まで回生ブレーキが働くため、省エネルギーに貢献するという。車両情報装置を搭載し、車両の状態監視、各種点検、検査を実施可能。運転状況記録機能も搭載して安全性を高めたとのこと。

名古屋市営地下鉄桜通線は、愛知県名古屋市の中村区役所前駅から名古屋駅、久屋大通駅、御器所駅などを経由して、同市野並駅までの14.9kmを結ぶ路線。延伸計画は野並駅から徳重駅までの4.2kmで、途中駅は鳴子北駅、相生山駅、神沢駅。徳重駅には新たに車両基地が設けられる予定。