ドイツ30種株価指数

本日、注目の6月独IFO景況感が発表された。現況は市場予想を上回ったものの、リスク回避がアジアンタイムで強まる中、期待指数が102.4と市場の見通しに届かなかったこともあり、ドイツ30種は売りで反応している。

ユーロ圏経済を下支えし、債務問題でも主導権を握るドイツの景気動向は、常に市場の関心を集めているが、市場ではやはり先行きに不透明感を感じ取っているようであり、為替市場でもユーロやポンドが売りで反応していることから、本日のドイツ30種はどこで下支えされるかが、焦点となりそうだ。

下記1時間足チャートを見ると、米景気回復や中国の人民元切り上げるによる需要喚起により6月上旬より続いていたリスク選好トレンドが、6,300ポイントレベルで一度調整局面に入るかどうかの分岐的であることを示唆した展開となっている。

今のところ、上昇基調のトレンドチャンネル内にいるが、明らかに下を試すムードが強まっており、仮に下限ブレイクとなった場合、どこまで下落するかがテクニカルのポイントか。

この点をピボットで探ると、まず下限ラインのすぐ下に位置するS1が浮上する。このポイントは6,200のライン付近に位置しており、同ラインと共にサポートゾーンを形成すれば、下限ブレイクは一時的なオーバーシュートということになり、再び6,300ポイントとトライする展開になると思われる。

逆にサポートゾーンを形成することなく下落した場合、S2レベルでは一度しか下支えされていないことから、6,100ポイントの下にあるS3もしくは心理的ラインである6,000ポイントまで調整が進むかが焦点として浮上するか注目したい。

ドイツ30種株価指数 1時間足

ドイツ30種株価指数 MACD & RSI 1時間足

スポット金

格付け会社フィッチ・レーティングスは21日、仏BNPパリバの長期格付けを「AA」から1段階引き下げ、「AAマイナス」とした。利益の大部分が資本市場に依存していることや、2009年に資産の質が悪化したことがその理由とのこと。先週はスペインの国債入札が好調に終わったことで短期的な先行き不透明感が後退したように思われたが、欧州債務危機を巡る混乱状況は未だ続いていることがこれで再認識された格好となった。

こうした中、金融不安を煽る状況から金相場を急上昇させる展開も考えられたが、実際は利喰い売りを浴びる切っ掛けとなっている。このパリバの格下げを受け、為替市場ではユーロ安/ドル高圧力が強くなっており、ドル建てで取引される金相場には割高感が生じやすく、結果として調整圧力が強まったようだ。

また、最近の金相場はユーロ相場との逆相関関係が強くなっていたところに、最高値を更新したため、テクニカル面からも売りが出やすかった。

このようなファンダメンタルズを背景に今後の動向を短期スパンで考えた場合、指標とされている「SPDR GOLD SHARES」の投資信託残高が過去最高を維持し、5月の最高値を更新した後の水準に達している取組高やポジション状況から判断するなら、短期筋のポジション調整が進む可能性も否定できない。

しかし、トレンドそのものが転換するほどの状況にはないと考える。なぜならアジア市場、特に中国では現物需要も堅調であり、サウジアラビアでも金準備保有高を従来見通しの143.8トンから286.8トンまで引き上げる等、公的資産の金購入も活発に動いている。

更にロシアなどは、今年に入ってからも27.6トン増加、668.6トンと金保有高を急増させており、ファンド・機関投資家のみならず公的部門も金選好型を強めていることが窺えるからだ。

通貨・国債などの債券に対する信用低下、米欧経済の先行き不透明感、それを受けて投資家の金への資金シフトの動きが未だ拡大していることを考えれば、最高値更新を試す可能性は非常に高いとみられる。

1,200ドル台でも実需の動きが確認出来る状況にある限り、下値を固めながら1,300ドル台乗せを試す展開も想定しておきたい。

スポット金 日足