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アジア市場動向

前日の米株高一服を受け、アジア株式市場も上値の重い展開へ。日本225種は、序盤から軟調な地合いとなるも、為替市場が思ったほど欧州ソブリンリスクに反応しなかったことから心理的ラインである1万円を意識した展開で小動き。

本日から本格的に始まった中国市場の底堅い値動きも、下支え要因となった模様。一方、スペインの財政赤字懸念が再びクローズアップされはじめているが、対ドル&円で目立ったユーロ売りとはならなかったことから、円相場はボックスでの値動きが主体となった。

他のストレートもこれまでのリスクテイク基調を継続し、ユーロドルは1.22後半、豪ドルドルは午後になると再び0.86台へと再上昇する等、底堅さを維持したまま欧州タイムへと入った。

海外市況動向

アジア市場では、欧州債務問題への過剰な反応が見られなかったことから、これ自体は欧州株式の下支え要因となりそうだ。

しかし、ドイツとスペイン国債の利回り格差が拡大している事実は、やはり投資家の不安心理を反映しており、誰がババを引くのか、という状況になりつつある。そのような状況の中、本日からEU首脳会合が開かれる。市場安定化へ最善の方策を協議するのは当然だとしても、もはや欧州債務問題は、市場がその時の旬の材料として捉えるかがトレンド形成の重要ポイントとなっており、主導権は当事者側にないのが悲しいところ。それ故、マーケットへのサプライズも発生し易いと言える。

南アフリカでは、優勝候補の最右翼と考えられたスペインがよもやの敗戦を喫しサプライズを提供したが、リスクテイク基調が継続している市場に、スペインのソブリンリスクが思わぬサプライズを引き起こす可能性もある。

NYタイムでは、21:30に5月の消費者物価指数と新規失業保険申請件数が発表される。前日の米経済指標は強弱まちまちの内容だったことから、市場予想を下回るようなら米景気回復への不透明感が増す可能性が高い。特に後者の新規失業保険申請件数は、現在米市場を動かす要因のひとつとなっているため注視したい。

また、23:00には6月のフィラデルフィア連銀指数と5月の景気先行指標総合指数も発表予定となっており、マクロ経済の状況に注目が集まる中、欧州債務問題と共に市場の行方を決定づける可能性が高い。その中でもフィラデルフィア連銀指数は、最新のデータをもとにはじき出されているだけでなく、NY連銀製造業の内容がどの程度正確かを確認するという意味合いもあり、市場関係者の注目度も本日の指標発表の中では一番高いと思われる。

ウォール街株価指数は、10500ドルを前に、200日MAとフィボナッチ50.00%が意識され調整トレンドへ入りつつある。本日の経済指標で市場予想を下回る内容となれば、利益確定売りが強まる展開となる可能性が一層強まろう。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足

【FX テクニカルークロス円ー】ユーロ円

市場のリスク選好の裏では、常にそのトレンドに対する懐疑的な見方が潜んでいる。その不安心理を反映するかのように、ユーロは再び上値が重くなり始めた。

ユーロ円 日足

ユーロ円 1時間足

前月下旬より114.00のラインがレジスタンスラインとして意識されている。113円台へ到達すると、このラインが意識され次第に上値が重くなる展開に変化が見られないことから、今後はショートバイアスへの警戒感を怠らないことが需要となってくる。

現在、フィボナッチ23.60%レベルがレジスタンスとして意識されていることから、この水準を超えた場合、上値追いは避けたいところ。

仮にこのまま反落した場合、1時間足で見ると、目先のサポートポイントとしてピボットS1と短期サポートラインが意識され、111.00台を維持できるかが焦点となりそうだ。このレベルで反転すれば、緩やかなユーロショートカバー基調継続が核にできることから、再び114.00のラインを目指すトレンドが継続しそうだ。

111.00のラインをブレイクする展開となった場合、ピボットS2がすぐ下に控えている。 この水準は、6月15日に下支えされた水準であることから、ダブルボトムを形成するかがネクストポイントとして注目される。