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アジア市場動向

格付け会社ムーディーズが、ギリシャ国債の格付けを投機的等級に引き下げた。これによりギリシャへのリスク懸念が再び意識され上値が抑えられるも、アジアンタイムではそのことに関し過剰に反応する場面は見られなかった。

この流れを受け日本225種は、25日MAを意識しながら根強い買い優勢の展開となり、4日連続で続騰。しかし、ギリシャ問題に加え心理的節目のライン1万円を意識する展開となり上値は重たかった。中国市場も強弱まちまちの展開だった。

一方、為替市場はギリシャ問題を意識リスクテイクの円売りに一服感が漂っていたが、欧州タイムが近付くにつれリスクポジションの調整売りが加速し、円高基調が強まったまま欧州タイムへと入った。

海外市況動向

アジアンタイムでは主要テーマとしてインパクトに欠けたギリシャ国債格下げ報道だが、震源地となる欧州ではその捉え方が異なる可能性も考慮した方が良いだろう。

序盤の欧州株式は、アジア株が比較的堅調な値動きだったことから小反落で推移しているが、リスクバロメーターとなるユーロは15時以降、1.22のラインを完全にブレイクし、市場心理の不安感を反映しつつある相場となっている。

仮にこのままユーロの上値が重くなるようなら、金融株はもちろんだが、モーニングレポートでも言及したように、続騰していた鉱山株で利益確定売り優勢の展開となるかが注目される。なぜならFTSEをはじめとした欧州株式上昇のけん引役であっただけに、指数自体に与えるインパクトも無視できないからだ。

また指標を眺めると、本日は17:30に5月の英消費者物価指数、小売物価指数が、18:00に6月の独ZEW景況感指数が発表される。

仮に市場予想を下回るような弱い内容となった場合、上述したギリシャ問題と絡めリスク回避の売り圧力が株式とユーロをターゲットに強まる可能性もある。

そうなればNY市場への影響も避けがたいため、その内容には注視したい。

NYタイムに入ると、6月のNY連銀製造業景気指数が21:30に発表される。

米景気回復力はユーロ圏のそれと比較すると依然として力強さが感じられるが、今回のNY連銀製造業景気指数も前回の19.11から20.00へと拡大する見通しとなっている。

中国の経済発展がグローバル経済の持続的発展に貢献するとの見通しが今回のリスクテイクの背景にあるが、ここに米景気回復期待が加わることにより、ギリシャ債務懸念をどこまで跳ね返せるかが米市場のポイントになりそうだ。

また、欧州市場で注目される資源系の動向だが、予定されているオバマ大統領の演説内容如何で大きく動く可能性もあるため指標発表後も気の抜けない1日となりそうだ。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足