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NY原油先物7月限

先週末に発表された5月米小売売上高が前月比1.2%減となったことで、リスク回避の動きが優勢になった。前月の0.4%増、事前予想の0.2%増から大きくマイナスサイドに陥ったことで、EU財政危機問題が実体経済に及ぼす影響が警戒されている。5月は原油相場が急落したことで、石油製品低下などの影響も大きいと思われるが、米消費者が経済の先行き不透明感から購買意欲が縮小傾向になっている可能性もあり、中長期では注意を要する内容と言っていいだろう。

しかしその一方で、6月のミシガン大消費者信頼感指数・速報値は前月の73.6から75.5まで上昇し、2008年1月以来の高水準を維持した。最近発表された経済指標は強弱まちまちの内容となっているが、現在の原油先物相場の状況を見る限り、市場ではリスク選好を反映した相場状況となっており、短期的には75ドルを完全に突破するかが、焦点となりそうだ。

それは6月の原油相場を見てもわかる。

70~75ドルのボックス相場が続いているなかで、70ドル割れは、やはり下げ過ぎとのコンセンサスは形成されており、上方ブレイクのきっかけ待ちの状況に変わりはないと捉えても良いかも知れない。仮にそうなら、今後は5月のパニック的な急落相場を是正する形で、75~80ドル水準まで値位置を切り上げる展開が想定される。

テクニカルで見ると、ボリンジャーバンドの抵抗が上値レジスタンスポイントになると想定されているが、仮に上抜けた場合、80ドルに向かう可能性が強くなると思われる。ここで押したとしても方針に大きな変更はないが、ボリンジャーバンドの中心ラインで跳ね返ってほしいところだろう。

ここから76ドルを超えて引けることが出来れば、再度80ドルチャレンジと見るが、逆に72ドルを割れて引けてくるようだと、少し下値を警戒しなくてはいけなくなるかもしれない。

NY原油先物7月限