クリッピングの三つの方法

――Evernoteにはウェブページを取り込む機能がありますね

あるウェブページを保存したいとき、以前なら「お気に入り」か、ソーシャルブックマークサービスを利用していたと思います。しかし元のサイトが変わってしまうと、もう情報にアクセスできません。

Evernoteのウェブクリッピングなら情報をそのまま保存できるし、必要のない部分を編集したり、自分のコメントを追加したりすることもできます。

ウェブクリッピングには三つの方法があります。

一つめはコピーアンドペースト。まずウェブページで必要なところをコピーします。それからEvernoteを開いて新規ノートをつくり、ペースト。これでウェブページの情報がノートに取り込まれます。

二つめはウェブクリッパーを使う方法。Windowsでインターネット・エクスプローラをお使いか、 MacでSafariをお使いなら、パソコン用Evernote(クライアントソフト)をインストールすると一緒にウェブクリッパーもインストールされます。ブラウザーに表示される象のアイコンがそれです。

もしFirefoxや Google Chromeを使っている人は、専用のアプリケーションをインストールする必要があります。

■Firefoxを利用している場合

アドオン"Evernote Web Clipper"をインストールしてください。

■Chromeの場合

Google ChromeExtentions ホームページで "Evernote" と検索して、拡張機能を検索してください。

また、ウェブページをクリッピングするためのブックマークレットをインストールすることもできます。

ダウンロードページに表示されている「ドラッグしてください」というリンクをリンクツールバーにドラッグすると、ブックマークレットがインストールされます。

ウェブページで必要な部分を選択し、ウェブクリッパーのアイコンを押す。するとその部分を取り込んだノートができます。ウェブクリッパーは新規ノートをつくり、ペーストする手間をはぶくショートカットです。

何も選択しないで押すと、表示されているウェブページ全体が取り込まれます。たまに画像を取り込めないときがあるので、それを防ぎたいならコピーアンドペーストがいいでしょう。

三つめはスクリーンキャプチャー機能です。Windows なら PrinstScreen キー、Mac なら control +command+ Cでスクリーンキャプチャー機能を呼び出せます。

画面選択のガイドが表示されるので、必要な部分までドラッグして選択し、OK をクリックします。

Evernoteは画像に含まれる文字からの検索もできるのですが、まだ完全ではないようです。特に日本語の認識は目下開発中なので、アルファベットから探した方が検索精度が高くなるでしょう。

――ウェブクリッピングを使いこなすポイントを教えてください

少しでも興味を持ったページはすぐにクリッピングすることです。せっかくいい情報を見つけたのに、「あとで……」と思ってそのまま忘れてしまったことありませんか?

時間をかけて読んだページはまた見たくなる確率も高いので、「あのとき確かに見ていたんだけど……」と思うことがないよう、クリッピングを習慣にするとよいでしょう。

ノート作成時に「その場で」タイトルをつけることも大切です。あとで「なぜこれをクリッピングしたのか」がわかれば、そのときの思考がよみがえるし、そこから発展させることもできる。せっかくの情報を埋もれさせないことが大事です。

マルチプラットフォームを使いこなす

――Evernoteはウェブ、クライアントソフト、iPhoneなどの携帯電話用アプリが提供されていますが、それぞれの違いはありますか?

クライアントソフトでノートを検索しようとすると、文字を入力した瞬間から検索が始まるのでちょっとイライラするんです(笑)そこで一度別のアプリケーション(メモ帳など)にキーワードを入力し、それをコピーしたうえでクライアントソフトの検索窓にペーストすると快適です。ウェブ版は検索ボタンを押すまでは検索は行なわれないので、このような回避策は不要です。

また、クライアントソフトは、閲覧中のちょっとした誤操作でノートの内容が書き換えられてしまうことがあります。これもウェブ版なら編集ボタンを押さない限り書き換えられることはないので、閲覧だけならウェブ版を使ったほうがいいでしょう。僕はノートを更新順に並べたいので、間違って書き換えられる心配がないウェブ版はよく使っています。外出先ではiPhoneです。

―iPhoneとの連動は

Evernote宛のメールをiPhoneで送ります。前回も触れましたが、とにかくアイデアを送るだけ。タグもつけません。編集は帰宅後にパソコンですると決めています。

iPhoneからのメールは「ようこそ」というノートブックに入れ、毎日夜に見る時間をとっています。その日の出来事をまとめられるので楽しいですよ。翌朝には「ようこそ」がゼロになっていて、今日やるべきことだけ出てくるのが理想です。

EvernoteにiPhoneでメール送るとき、便利なアプリがHayaMemoですね。

メールアドレス二つとツイッターのアカウントがメモ画面と一緒に表示されます。これがすごくいいなと思って。有料アプリですが使っています。

いつメモを送ったかがわかるカレンダービューもあります。一種のバックアップですね。そんなに重要な意味はないかもしれませんが安心です。

――大橋さんは名刺をEvernoteで管理していますか

名刺については、EvernoteではなくiPhoneの「写真」で管理しています。最初は五十音順にしていたのですが、名前が出てこなかったり、会った場所しか覚えてなかったりすると使えないので、フォルダは年月日にしています。


次回は、「Evernoteでライフハック」についてうかがいます。

INTERVIEWER PROFILE : 早川洋平 / KIQTAS(キクタス)
中国新聞社記者、全国紙系編集プロダクションのライターを経て入社した企画会社で2008年、良書の著者へのインタビュー音声を無料で配信するポッドキャスト番組「人生を変える 一冊」をスタート。配信後2カ月でiTunes store podcastビジネスランキングで21日間連続1位を獲得、月間20万DLの人気番組に成長する。独立起業した現在は、インタビューやライティングに加え、ポッドキャストを軸にしたコンサルティング、コンテンツプロデュースなどを行っている。
KIQTAS(キクタス)ウェブサイト
早川洋平ブログ

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