福山龍次監督が語る『環境超人エコガインダーII』

――今回第2期目として放送される『環境超人エコガインダーII』ですが、第1期との違いについて教えてください

福山龍次監督

「第1期よりもずいぶんドラマ的な感じになっているのが特徴です。テーマは同じ『エコ』で、エコに対する『気づき』を与えたいというところはまったく変わっていないのですが、今回は、それをより深く知ってもらうために、親子関係や人間関係という視点からももっと見つめてみたいということで、ちょっとドラマ的になっています。そしてもう一つの大きな特徴は、やはりこれ無くして語れない、『ライバル』の存在ですね。エコガインダーのライバルとして『ロスト』というキャラクターが登場します。ライバルというのは現実の人間関係の中にもあることですし、子どもたちの学校生活にもあると思うんですよ。たとえば、『かけっこであの子に勝ちたい』なんて気持ちが。そんなことを含めつつ、『エコ』というものは生活の中にもありますよ、それもごく自然なカタチであるんですよということを、このとんでもない展開のドラマの中で、気づいていただければうれしいなと思います」

――第2期ではアクションにも力がはいっているとお聞きしていますが

「おかげさまで、新堀(和男)さんにもご協力をいただいて、本当のアクションの血を入れさせていただいています。実のところ、第1期ではあえてやらなかったという部分もあるんですよ。『暴力反対』という趣旨や、番組の尺(放送時間)といった大人の事情やらで(笑)。今回、本格的なアクションを入れることになったのですが、やはり『エコガインダー』ならではのテイストは失いたくない。なので、激しく殴るとか、女性や子どもをいじめるような表現はなく、それでいてハデなアクションという、かなりの無理をお願いしながらも、けっこうそれが実現できているというところをお楽しみいただけるのではないでしょうか」

――ここであらためて、『環境超人エコガインダー』の魅力を教えてください

「僕の作品では『気づき』というのが、すべてにおいてテーマになっているのですが、『愛』や『感謝』というものも必ず持ちたいと思っているんですよ。たとえば、悪役、今回はステナやエコクラッシャー1号2号などが出てくるのですが、彼らは必ずしも悪いわけではなく、彼らは彼らなりの事情があって悪いことをしている。しかし、結果としてCO2をいっぱい出したり、ゴミをいっぱい出したりしていれば、それはやっぱりダメなことなんですよ。でも、そういうことって、けっこう気づかずにやっていたりすることが多い。ここを『気づいてくださいね』というのがひとつ。そしてもうひとつは、『エコ』というのは決して難しいことではないということです。たとえば僕たちの時代だと、何となく、お米がそこにあると跨がなかった。それは衛生上の問題ではなく、跨いではいけないものなんですよ。そして、水が出しっぱなしだと、何かそれはダメなような気がする。これも決して『エコ』の意識などではなく、やはり何かダメな気がして、栓を閉じた。そういった日本人が元々持っていた『良さ』は、『エコ』というものと実は二アリーイコールなんです。当たり前のことを当たり前にすることが、実は地球を守っていて、それが子どもたちを守り、子どもたちの次の時代にバトンタッチしていくことに繋がる。これは第1期も第2期も同じ視点から描いておりますので、そこは第1期をご覧になった方も変わらずお楽しみいただけるところだと思います」

――第2期では放送時間もちょっと長くなり、その分余裕も出てきた感じですか?

「そう思いたいところなんですが、実はそのゆとりの部分にドラマを詰め込んでしまっているんですよ(笑)。ドラマは展開するし、必ず『エコ』を語らなければならない。そこにプラスアルファして、少し道徳的なことも言っていたりするので、けっこうパンパンになっていて、どこをどのように切ればいいものかと思いつつ、撮影をさせていただいております。逆に前回よりも大変になっていたりもしますね(笑)」

――時間が延びた以上に内容も増えている感じですね

「そういうことです。某プロデューサーさんの意向で大変な目にあっています。ここは大きく書いておいてください(笑)」

――それでは最後に、番組を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

「アクションも含め、ドラマも含め、そして出演者も含めてグレードアップしていると思いますので、ぜひこのグレード感をお楽しみください。もちろん前回のテイストもしっかりと残しておりますし、後半には、前期シリーズをご覧いただいた方がちょっと楽しめるようなところもありますので、そのあたりにも期待しつつ、ご覧いただけるとうれしく思います」

――ありがとうございました



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