ひまわり証券のエコトレFXは、究極のFX(外国為替証拠金取引)ツールだ。100種類以上もの売買システムが用意されていて、その中から気に入ったものを選ぶだけで自動売買が始められる。すべてはサーバ上に用意されているので、インターネットさえ使えればどのPCからでも使え、しかも売買システムの利用料は無料だ(一般のトレードシステムは利用料がかかる)。ひまわりFXシストレ口座を開くだけで、FXが始められるクラウド型のオールインワンツールだ。
売買システムとは、コンピューターが自動的に取引タイミングを判断し、自動的に注文、決済を行ってくれるもの。あなたはなにもすることはなく、「見ているだけ」で、取引をしてくれる。しかし、この「見ているだけ」という手軽さに、逆に不安を感じる人もいるだろう。
ギリシャ問題で見えてきた、「エコトレFX」の実力
「本当に利益があげられるの?」「売買システムって、本当にそんなに賢いの?」。当然の疑問だ。結論からいえば、それぞれの売買システムはそれぞれのロジックをもっていて、どのような局面で成績をあげられるかが異なっている。また、値動きをロジックで判断していくため、人間の判断とは良い意味でも悪い意味でも異なっている。この辺りの売買システム特有の性格をうまく判断して、適切な局面で適切な売買システムを使っていけるかが、シストレで勝つポイントになってくる。そこで、まずはエコトレFXの売買システムの実際の成績を詳しく見てみよう。
5月6日、7日の日本市場は、"ギリシャ・ショック"に見舞われた。ギリシャの金融不安に端を発し、全世界株安となり、リーマン・ショック以来の大きな下落となった。さらには、ニューヨーク市場でケアレスミスによる誤発注が起きたり、為替市場ではユーロが狼狽(ろうばい)売りされるなど、パニックの一歩手前の段階までいってしまった。
この時、エコトレFXの売買システムはどう動いたのか。5月3日から7日までの4日間の動きを見てみよう。日本ではちょうどゴールデンウィークにあたっている期間だが、為替市場は休みなく24時間刻々と動いている。日本人が行楽地に出かけて楽しんでいる間にも、エコトレFXは着々と取引を重ね、利益を積みあげていたのだ。
4日間で878ポイントの利益をあげた「ボラティリティランナー」
最も成績がよかったのは「ボラティリティランナー」という売買システム。この4日間で、878ポイントもの利益をあげた。エコトレFXの場合、2万円の証拠金で2万ユーロの取引ができるので、2万円を元手に17万5,000円以上もの利益をあげたことになる(ただし、証拠金の他にも余裕資金をもっておくべきなので、一般的には10万円ぐらいを口座に入れ、そのうちの2万円を取引し、8万円を余裕資金にとっておくなどの工夫が必要になる)。
このボラティリティランナーは、基本的には素直に順張りをしていくロジック。上昇トレンドが始まるところをとらえて買い、下降トレンドに転じたら売り、逆に下降トレンドが始まるところをとらえて売り、上昇トレンドに転じたら買うというものだ。このボラティリティランナーの損益グラフを見ていただきたい。3日は上昇トレンドが始まると判断したが、決済するタイミングを逃してしまい、損切りを行っている。
例えば、5月4日の最高値125円程度のところで決済すれば、小さな利益を確定できたが、ボラティリティランナーがまだ十分な上昇トレンドになっていないと判断している間に、相場が下降を始めてしまった。「トレンドの判断のタイミングが鈍いのじゃないか?」と思う人もいるかもしれないが、これがシステム特有の考え方で、こういう小さな動きでは損切りも仕方ない、大きなトレンドがきたときに大きな利益を得ようという作戦なのだ。「小さく負けて、大きく勝つ」が、一般的な売買システムの基本戦略だし、このボラティリティランナーはそれを忠実に実行していく。
5日からの活躍ぶりを見ていただきたい。4日の夕方に下降トレンドに入ったと考えたボラティリティランナーは、売り注文を出す。5日の昼ごろにはやや小幅の上昇があって、人間だったら、ここで決済をし、利益を確定したくなってしまう。ところが、ボラティリティランナーは、「まだまだ上昇トレンドに反転しない」と判断、4日にはトレンドの変わり目の判断が遅いように見えたが、ここではそれがうまく機能し、大きな波をうまくとらえることができた。6日夕方は一時上昇に転じて決済してしまうが、すぐに再び下降トレンドを捕らえて、ギリシャショックの記録的な下げ幅をいっぱいに利用して、大きな利益を叩きだした。まさに、トレードシステムの面目躍如といった活躍ぶりで、「小さく負けて、大きく勝つ」の見本のような取引結果となった。
"より大きなトレンド"を見ている売買システム
もうひとつの「ブレイクサーファー」を見てみよう。こちらも順張りタイプだが、過去数日間の最高値を抜けた動きが現れたら買い、最安値を抜けた動きが売りというもの。つまり、過去の最高値よりも高くついたら上昇トレンドだと判断する。3日、4日ともにこの作戦は失敗している。3日には最安値を抜けたので、下降トレンドだと判断したら、すぐに上昇トレンドに転換。いわゆる「だまし」に会ってしまった。4日も同じようなパターンで、いずれも損切りで小さく負けている。
4日夕方には下降トレンドに入り、続く大波にはうまく乗っていく。本当は7日朝の大底で買いに転じることができれば、約1,200ポイントというビッグスコアとなったはずだが、これはもちろん結果論。7日朝から上昇トレンドに転じたが、最高値を抜けるような動きではなく、上がり幅は大きいものの順調に上昇したために、売りタイミングを逸してしまった。その後7日夜の小さな値動きで、ようやく買いシグナルが出て決済をした。それでも584ポイントという大きな利益となった。
よく「トレードシステムは変化に強い。大きな上げ下げがあったときは大きな利益を得られる」と言われるが、こうして見てみると、そう単純でもないことが分かるだろう。7日の劇的な下落を十分活用できた売買システムもあれば、そうでない売買システムもある。
しかし、一つ言えるのは、4日夕方から7日朝までの大きな下落トレンドは、どの売買システムもうまくとらえ、大なり小なりの利益をあげることに成功しているのだ。私達は「ギリシャ・ショックで売買システムはどれだけ利益をあげられたか?」ということを検証するときに、ついつい7日朝の大底付近だけを見てしまいがちだが、売買システムはより大きなトレンドを見ているのだ。その意味では「システムは荒れ場に強い」というのは真実だ。
しかも、もし、これが人間であれば、6日の夜中時点で「もういい加減反発するだろう。早めに利益確定したい」と決済してしまい、利益を小さくしてしまいがちだが、システムは冷静に利益を取りにいく。また、結果論的には7日朝の大底で決済すれば利益はもっと大きくなったが、人間であれば、もっと欲が出て「まだ下がるのでは?」と考えてしまうところを冷静に決済している。
グラフを見て、時系列に追っていって、あなただったら、どこで売りまたは買いの指示を出すかを考えてみていただきたい。あなたの考えと、売買システムの実際の注文のどこが違うかを見ていくことは、売買システムを使いこなすための最大のトレーニングになるのだ。
次回からのレビューでは、エコトレFXとはどういうものか、そしてどのように使えばいいのかを紹介していく。ギリシャショックでのエコトレFXの活躍ぶりに興味をもった人は、ぜひ読んでいただき、エコトレFXからFXの世界をのぞいてみていただきたい。