店頭デリバティブ(金融派生商品)取引などに関する清算機関(※)の利用を義務付けるなどとした「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」が12日、参議院本会議で全会一致で可決、成立した。

※ 市場で成立した売買について、決済数量確定のための計算など、決済を行うために必要な処理を行う機関。清算機関の主な機能としては、債務引受け、ネッティング、決済指図、決済保証などがあげられる(出典 : 東京証券取引所ホームページ)

同法律案では、店頭デリバティブ取引などの決済の安定性・透明性を向上させる。具体的には、我が国における取引規模が多額で、その取引に基づく債務不履行が我が国市場に重大な影響を及ぼすおそれがある一定の取引については、以下のいずれかに清算を集中するとしている。

  • 国内清算機関

  • 国内清算機関と外国清算機関の連携による方式

  • 外国清算機関

さらに、我が国における取引規模が多額で、その取引に基づく債務不履行が我が国市場に重大な影響を及ぼすおそれがあるもののうち、我が国において清算する必要がある取引については、国内清算機関に清算集中する。

また、取引情報保存・報告制度を創設。金融商品取引業者などや清算機関に対し、取引情報の保存、当局への取引情報の提出を義務付ける制度を整備。加えて、金融商品取引業者などが、自らに代わり、取引情報の収集・保存を行う機関(取引情報蓄積機関)による保存、当局への取引情報の提出を選択できる制度を整備する。

一方、証券会社の連結規制・監督の導入、保険会社の連結財務規制の導入も行う。特別金融商品取引業者(総資産の額が一定金額を超える第一種金融商品取引業者)について、内閣総理大臣への届出、所属する企業グループの財務状況などの報告を義務付けるほか、連結ベースの事業報告義務、連結自己資本規制を導入。また、その子会社などに対する報告徴取・検査等の監督規定を整備する。

保険会社に対しては、保険会社または保険持株会社グループに対する連結財務健全性基準(連結ソルベンシー・マージン基準)を導入する。

亀井静香金融担当大臣は、上記法案について、「私の担当範囲で、小泉改革を変える法案のうちの第2弾」と説明していた。