FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。イースター休暇明けの欧州勢が本格的に参入した昨日は、株式での地合いの強さが相変わらずといった一方で、為替市場では再びギリシャ問題がネックとなり、下落圧力が再び強まった一日となった。

また、米市場では株式が高安まちまちの展開となるも、製造業を中心とした景気回復期待を背景にした買いは根強く、FOMC議事録でも低金利政策維持の方針をあらためて表明したことも支援材料となった。

一方、為替市場ではソブリン・リスク懸念が再び台頭。ユーロドルは1.33台まで下落幅を拡大させたことにより、ユーロ円でも125円ミドルレベルをトライする展開が強まった。 この動きに追随しドル円も93円台へと反落するも、資源国通貨では追加利上げ観測を背景に底堅い展開が継続していた。

本日の経済指標

・16:15 スイス・2月実質小売売上高

・16:30 日本・白川日銀総裁記者会見

・16:55 独・3月 PMIサービス業

・17:00 ユーロ圏・3月 PMIサービス業

・17:30 英・3月 PMIサービス業

・18:00 ユーロ圏・4Q GDP(確報値)

・18:00 ユーロ圏・2月生産者物価指数

・19:00独・2月製造業受注

・21:30 加・2月住宅建設許可

・23:00 加・3月Ivey購買部協会指数

・23:00米・週間原油在庫

・28:00 米・2月消費者信用残高

・時間未定 日銀政策金利

要人発言

・21:30バローゾ欧州委員長の発言

・25:15ダドリーNY連銀総裁の発言

・26:30バーナンキFRB議長の発言

・27:00ホーニグ・カンザスシティ連銀総裁の発言

株式市場の地合いは、日米欧ともに企業業績回復期待を背景に底堅いが、最近の東京株式市場では高値警戒感が強まっていることもあり、本日も上値の重い展開となるかが注目される。

特にソブリン・リスクの問題が再び為替市場で材料視され始めたことにより、ユーロの下落スピードが加速していることが気がかりだ。円相場ではユーロ円の下落をきっかけとしてドル円も94円台を維持することが出来ずに円高基調が強まっている。この動きを受け、本日の東京マーケットでは、輸出関連株を中心に上値の重い展開となることが考えられる。また、トヨタ(7203.T)のリコール問題が米国だけでなく、韓国にまで飛び火していることも重石となりそうだ。

一方、対欧州通貨ではドル高が進行しても、WTIや貴金属価格に目立った下落は見られない。これはドルよりも欧米株式との相関性がより強まっていることの証左だと思われる。しかし、WTIが約1年半ぶりの高値水準へ到達したこと、ユーロドルでのドル高を見ると、本日アジアンタイムでは上値が抑えられることも考えられる。仮にそのような展開となれば、エネルギー、鉄鋼、非鉄金属に商社といったセクターでも軟調な地合いとなることが考えられる。

ただ、これに関しては、欧州株式の動向を見る限り期待の持てるセクターとも言える。 確かに、為替市場でのリスク回避傾向により円高基調が強まりはじめているのは事実だが、豪ドルやNZDドルでは、欧州通貨とは逆相関の関係となっている。これは中国の資源需要拡大観測や米景気回復が大きく影響しているためだろう。

本日のアジアンタイムでも資源国通貨が堅調な値動きとなれば、ユーロ円の下落を相殺する可能性が出てくるため、もともと商品市況のファンダメンタルズは良好なことから、指数を下支えする要因にもなり得る。このため、東京市場も資源系の値動きには注視したいところだろう。

また、ルノー(RENA.PA)・日産(7201.T)連合が独自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)との提携合意について、日本時間午後16:45にブリュッセルにて共同記者会見を行う予定となっている。東京マーケットが既にクローズしている時間帯での発表となるが、このようなM&A関連は、リスクテイクを喚起される流れとなっているため、支援材料となるか上記の資源系セクターの動向と共に注目したい。

日本225種株価指数 1時間足

ドル円 1時間足