こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

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これまでの記事でもたびたび紹介してきたボーカロイド(VOCALOID)・初音ミクですが、実はボーカロイドソフト自体はミクの登場以前から存在しており、中でもニコニコ動画で根強い人気を誇っているのが、女性ボーカロイド「MEIKO」(04年11月発売)と男性ボーカロイド「KAITO」(06年2月発売)。

ミクと同じクリプトン・フューチャー・メディアから発売されたこれら2つのボーカロイドソフトは、ミクのブレイクをきっかけに再評価され、現在でも数多くの作品がニコニコ動画に投稿されています。

まずは日本語ボーカロイドソフト第一弾である「MEIKO」作品からご紹介していきましょう。


MEIKOソロとしては最高クラスの再生数を誇る動画。言わずと知れたアニメ「マクロスF」の「星間飛行」をカバーしたものですが、注目すべきは調律の自然さ! MEIKOとKAITOはミク以後のボーカロイドと比べて調律するのが難しいと言われているのですが、それでも扱う人によってはこれだけのポテンシャルを引き出せるのですね。恐るべきはユーザーの情熱、ということでしょうか。


日本語ボーカロイドとしては最古となるMEIKOを使った楽曲は、実はニコニコ動画以前から制作されていました。現在はその一部の作品をニコニコ動画で見ることができるのですが、これもその一つ。投稿者と制作者は別人であり、コメントによると制作時期ははっきりしないものの、どうやらかなり前に作られた作品と見て間違いないようです。動画の内容は、「ファイナルファンタジー6」の有名なオペラシーンをMEIKOに歌わせたというもので、現在でも十分通用する驚異的なクオリティを見せてくれます。


クリプトン社のボーカロイドシリーズでは、しばしば"兄弟姉妹"という設定が用いられるのですが、その場合もっとも発売が早かったMEIKOが長女となるようです。さらにそこから、"MEIKOはセクシーな大人の女性"というイメージが生まれて浸透した結果、楽曲にもそうしたキャラクター性が反映されたものが多く見られるようになりました。この動画はそんなMEIKOにぴったりの、色気漂う楽曲に仕上がっています。


MEIKOの楽曲のPVを、実写で制作したユーザーもいます。動画の中でMEIKOに扮しているのは、過去の記事でもちらっと紹介したフランス在住のプロダンサーYumiko。彼女の見事なダンスと動画制作者の映像編集センスが合わさったことで生まれた本作は、ニコニコ動画ならではの化学反応の産物と言えるでしょう。


ここで僕が一番好きなMEIKOのソロ動画を紹介しておきます。どこか異国を思わせる楽曲とPVの雰囲気、キャッチーなメロディーにMEIKOの歌声がマッチしてとても美しく完成された作品です。

――続いてはMEIKOに続いて発売された「KAITO」作品です。


女性ボーカロイドに比べて男性ボーカロイドは数が少なく、特にクリプトン社のシリーズではKAITOは唯一の大人の男性声を持つ貴重な存在としてDTMユーザーに重宝されているようです。そんなKAITOの持ち味が存分に発揮されているのが、この「千年の独奏歌」。伸びやか且つ色気のある声で、本楽曲が持つ独特の雰囲気を見事に表現しています。


KAITOのもう一つの特徴は、他のボーカロイドよりも圧倒的にネタ動画に使われていること。そのため「仕事を選べないKAITO」というタグが付けられることもあるくらいですが、それもまたKAITOがユーザーに愛されている証拠と言えるでしょう。

この動画は正確にはKAITOだけの動画ではないのですが、KAITOの代表作として外せないので取り上げてみました。再生数もすごいのですが、何よりもコメント数が恐ろしいことになっています。まだ見たことなかったという方はこの機会にぜひ。

なお、ボーカロイドのキャラクター付けでは、KAITOはミクの兄として扱われているようです。


……とはいえ、やはり個人的にはKAITOの本領発揮はその色気が十分に伝わる本気曲だと思っていますので、皆さんも「KAITO」タグからお気に入りの一曲を探してみてください。

ちなみにこの楽曲は僕のお薦めです。

――最後にMEIKOとKAITOのコラボ動画をご紹介して締めたいと思います。

ミクよりも先に発売された彼らは「年長組」とも呼ばれ、様々な動画でコンビを組んで相性の良さを見せてくれています。


特徴的なメロディーと歌詞、そして二つの声のハーモニーがじんわりと心に残る一曲。背景イラストも良い具合に物語性を感じさせてくれます。何度も聞きたくなる中毒性を持った動画ですね。


トリは映画「アラジン」から、お馴染みの「A Whole New World」カバー。とにかく調律がすばらしい! 人とボーカロイドのいいとこ取りをしたかのような美しい歌声をご堪能あれ。

以上、MEIKOとKAITOの動画をご紹介しましたが、今回取り上げた動画はあくまでも入門編といったところ。まだまだ数え切れないほどのボカロ動画がニコニコには眠っていますので、そのあたりは改めてまた特集していきたいと思います。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。

(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。