「図解化」で客観視する

――前回にひき続き図解メモのパターンを解説していただけますか?

「比較」のパターンを使ってみましょう。

例えばレストランを経営している人が、自分のお店と近くにある他のレストランを比較するとします。

まず、横の軸に自分のお店と他店を並べて書きます。そして縦の軸に比較する項目を入れます。間の「⇔」は、それぞれが違うということをよりはっきりさせるために書いています。

このように他店と比較することで、自分のお店が他とどの項目で差がついているのかを知ることができます。

この図を使うときに大切なのは、縦の軸にどんな項目を入れると効果的なのかを考えることです。比較してもあまり意味のないことを当てはめてしまうと、この図解を生かすことができません。差別化のポイントを見極めたうえで書いていきましょう。

また、縦の項目には「定義」が必要です。一番上に「価格」の項目がありますが、どんな価格帯ならば評価が「○」なのかを決めておく必要があります。

安いほうがいいと思うのか、それともなんらかの適正価格があると考えるかによって評価が変わってきますので、そこを詰めてください。

この図解はあくまでも「客観的に評価する」ためのものです。自分に対する評価を甘くしないように気をつけましょう。

――戦略や指針を打ち出しやすい図ですね。特に個人で事業をしている方の役に立ちそうです

そうですね。個人の方だとなかなかマーケティングに専念する余裕がないという実情もあると思います。ですから、そういう方にこそこの図を使ってささっと書いていただきたい。やるかやらないかで、確実に結果は変わってきますから。

項目ごとの比較のほかに、「◎」「○」「△」「×」に点数を設定して、それぞれの総合点を出すこともできます。その総合点を見比べて、弱い部分の底上げをするのもいいですし、もともとの強みをさらに磨き上げることも考えられます。「比較」の図からいろいろなヒントが得られると思います。