赤ちゃんの誕生は大きな喜び。妻には母親、夫には父親という役割が加わり夫婦の絆もぐんと深まりそうなものだが、昨年3月にベネッセ次世代育成研究所が発表した「妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査」報告によると、妊娠期と0歳児期では夫婦間、特に妻から夫への愛情が"冷める"傾向があるようだ。

この報告は、同研究所が2006年11月・2007年6月に妊娠期だった全国の夫婦401組を対象に、子どもが1歳半になるまで、生活や意識がどのように変化したのかを郵送法(一部面接方式)で調査し、その結果をまとめたもの。「配偶者といると本当に愛していると実感する」という質問に「あてはまる」と回答した妻は、妊娠期で74.2%いたが、0歳児期では42.3%と31.9ポイントも減少。夫への調査でも妊娠期が75.3%、0歳児期が62.6%と減少はしているものの、その差は12.7ポイントにとどまっており、妻から夫への愛情の方が"冷めやすい"傾向があるようだ。

また、「私と配偶者は、お互いのこと(仕事や趣味など)をよく話している」も妊娠期と0歳児期で大きく変化。妻では52.7%→31.0%、夫では51.1%→29.1%となっており、いずれも20ポイント以上の減少となっている。そのほか10ポイント以上減少の差が見られたのは、妻側では「私と配偶者は幸せな結婚生活を送っていると思う」「私の配偶者は私の悩みや不満によく耳を傾けてくれる」「私の配偶者は、私の仕事・家事・(子育て)をよくねぎらってくれる」など。夫側では「配偶者と私は幸せな結婚生活を送っていると思う」「私と配偶者は、(子育てや)家事などの分担に関してお互いに助け合っている」だった。

また同報告では「私の配偶者は家族と過ごす時間を努力して作っている」、「私の配偶者は私の仕事、家事、子育てをよくねぎらってくれる」の2項目で、0歳児期も愛情を維持している妻(愛情高維持群)と、愛情が減少した妻(愛情低下群)の「あてはまる」の回答割合を比較。前者では愛情高維持群が79.9%だったのに対し、愛情低下群では29.4%、後者の項目では愛情高維持群が71.5%だったのに対し、愛情低下群で26.2%と明らかな差が出ており、夫の家族への関わり方が妻の愛情の変化と大きく関係していることがうかがえる結果となっている。子どもが生まれても妻の愛情をキープしたいなら、家族との時間をつくったり、妻をねぎらったりと、それなりの態度が必要といえそうだ。