インデックス投資交流会は1月9日、ニフティが運営する東京・お台場のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」において、トークイベント『第2回インデックス投資ナイト』を開催した。

インデックス投資交流会は、「投資家自身の手で投資環境を良くしたい」との願いを実現するべく2008年7月から活動しており、インデックス投資ブロガーが多数参加している。同会では、個人投資家有志による手作りイベント「インデックス投資ナイト」の第1回を2008年1月10日に開催。今回が第2回目となる。

トークイベントには、経済評論家の山崎元氏、晋陽FPオフィス代表のカン・チュンド氏、日本経済新聞社編集委員の田村正之氏、イボットソン・アソシエイツ・ジャパン マネジング パートナー・CIOの小松原宰明氏、マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長の内藤忍氏、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏が出演。今回のテーマである「アセットアロケーション(資産配分)」をテーマに、それぞれの持論を繰り広げた。

右から、山崎元氏、竹川美奈子氏、カン・チュンド氏、小松原宰明氏、内藤忍氏、田村正之氏

各氏はまず、それぞれが設定したアセットアロケーションの具体的な配分比率について説明。その後、会場からの「なぜ(多くの出演者が)外国債券を(ポートフォリオにあまり)入れていないか」という質問などに関し、議論を行った。

外国債券のポートフォリオ組み入れについて、竹川氏は「国内債券より外国債券の方がそこそこ儲かりそうに思えるが、期待リターンのわりにリスクが高い。ただし、先進国の債券は入れていいのではないか」と話した。小松原氏は、「(ほとんど)外国債券は入れていない。だが、先進国の債券は10%ぐらい入れてもいいのではないか。ただし、今は日本のみならず米国も長期金利が低く、短期金利もめちゃくちゃ低い。金利が低い債券は投資すべきではない」と強調した。

一方、内藤氏は外国債券の組み入れについて肯定的な考えを示した。同氏は「外貨資産を持たないリスクを考えたほうがいい。(買い物をする時などに)円で払っているとはいえ、外貨と連動しており、日本に住んでいても外国為替の影響を受けている。為替のリスクを考えて、外貨資産をどこまで持つのか考えるべき」と説明。さらに「みんなが買っていないという意味では、(外国債券はハイリスクを取る分、ハイリターンが見込まれるため)いい投資対象なのではないか」とも指摘した。外国債券をポートフォリオに20%組み入れたカン氏も内藤氏の考えに賛同し「(投資において)国はないと考えている」と述べた。

その後も会場からの質問を軸に活発な議論が繰り広げられ、来場した120人は、熱心に聞き入っていた。

トークイベントの後は、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the year 2009」の授賞式が行われた。45人の投信ブロガーが一人5ポイントを持って投票した結果、第1位の「Fund of the year 2009」を獲得したのは、バンガード・インベストメンツ・ジャパンの「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」だった。同社代表取締役の加藤隆氏は、「29年やってきて今日は最高に晴れがましい。投資家の人に選んでもらえて本当にうれしい」と話した。

「Fund of the year 2009」獲得であいさつする、バンガード・インベストメンツ・ジャパン代表取締役の加藤隆氏

また、第2位となったのは、三菱UFJ投信の「eMAXIS 新興国株式インデックス」。受賞にあたってあいさつした同社商品企画部長の代田秀雄氏は、「自分がいいと思う商品が賞をもらった。ぜひこれからもいい商品を提供していきたい」と話した。

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the year 2009」の順位は以下の通り。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the year 2009

順位 商品名 会社名
1位 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) バンガード・インベストメンツ・ジャパン
2位 eMAXIS 新興国株式インデックス 三菱UFJ投信
3位 STAM グローバル株式 インデックス・オープン 住信アセットマネジメント
4位 STAM 新興国株式インデックス・オープン 住信アセットマネジメント
5位 eMAXIS 先進国株式インデックス 三菱UFJ投信
6位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド セゾン投信
7位 外国株式指数ファンド 三井住友アセットマネジメント
8位 ニッセイ日経225インデックスファンド ニッセイアセットマネジメント
9位 ひふみ投信 レオス・キャピタルワークス
10位 バンガード・エマージング・マーケットETF(VWO) バンガード・インベスツメンツ・ジャパン
10位 JFチャイナ・アクティブ・オープン JPモルガン・アセット・マネジメント