便利さ増すコンチネンタルも加盟

壇上に登場したANAの伊東信一郎代表取締役社長とCA

さて、ブリュッセル航空が加盟する1ヶ月半前の10月27日、コンチネンタル航空もスターアライアンスのメンバーになった。コンチネンタル航空の加盟は、スカイチームからの移籍という珍しいケース。この航空会社は日本国内9都市からグアムへの便を運航し、グアム経由でケアンズなどへ行くルートもある。さらに12月18日には、グアムからフィジーへの直行便を開設するなど、最近は日本からの旅行者にとって利便性が増している。

コンチネンタル航空は成田からニューヨークとヒューストンへの直行便も運航し、中南米への便が多いのも特徴。AMCの会員は、このコンチネンタル航空の便でもマイルを貯められるようになっている。

マイレージの会員にとっては、路線ネットワークが広いだけでなく、マイルを貯めたり、あるいは特典(無料航空券やアップグレード)を使ったりする時に好きな航空会社を選べるのは大きなメリット。その点でもスターアライアンスの場合、加盟航空会社が多いこともあって、個性豊かだ。

多彩な人種のCA達を見ればスターアライアンスには世界各国の航空会社が加盟しているのがよくわかる

唯一の総2階建て旅客機のエアバスA380型機を運航し、艶やかな制服のキャビンアテンダントでも知られるシンガポール航空、今夏のサッカー・ワールドカップ開催国の南アフリカ航空(香港-ヨハネスブルク間をANAとコードシェア運航)、外資系で日本からヨーロッパへ最大の便数を飛ばすなど利便性の高いルフトハンザ ドイツ航空、そして機内が日本人のCAで構成されるANAなどがメンバーに名を連ねる。行きたいところに飛んでいれば、自分好みの航空会社を選べるわけである。

式典のためにライトアップされたブリュッセルのグランドパレス

日本国内でもスターの優位性アップ

国際線だけでなく、日本国内線でもスターアライアンスの優位性は高まっている。それは、経営再建中にあるJALの運航路線が減るからだ。2010年1月19日現在、JALの国内線は12路線の休止が発表されているが、たとえばJALが全面撤退する静岡空港の利用者などはJMBでマイルを貯める魅力は激減。相対的に、国内でのAMCの価値が上がるといえる。

もちろん、同じスターアライアンスに加盟する航空会社のマイレージであれば、ANAの国内線でマイレージを活用できるわけだから、ユナイテッド航空のマイレージ・プラスやコンチネンタル航空のワンパスなどの会員にも有利だ。

縦に長いブリュッセル空港。分かりやすい構造

また、ANA、ユナイテッド航空、コンチネンタル航空の3社は現在、アメリカ運輸省に独占禁止法適用除外(ATI)を申請中で、認可されれば3社による共同運航をはじめることができ、日米(太平洋)区間で30数パーセントのシェアを持つ運航ネットワークを確立し、より便利な旅行ができるようになる。

ブリュッセル空港はヨーロッパ便が充実している

AMCは2007年春のルール改定で、JMBより条件がやや厳しくなったと言われてきたが、今春からは家族でマイルを合算して特典を使えるようになるなど、魅力が増している。……続きを読む