先日、花椒や朝天辣椒といった専門的な四川産の素材をフル活用したラー油レシピを紹介したところ、おかげさまで大好評。しかし、「もっと購入しやすい材料のほうがつくりやすい」という声もあったことから、今回は家庭や一般のスーパーにある素材でつくる"具だくさんラー油"レシピをご紹介しよう。

専門的な中華素材でつくるラー油レシピはこちら

和食にも合う! 「絶品具だくさんラー油」のつくり方
ピリリとホットな辛さが魅力のラー油。餃子にあわせるだけではなく、内容次第では焼き魚や冷奴といった和食にも合う。ここでは、様々な素材をブレンドした自家製ラー油のつくり方を紹介しよう。

ポイントはみかんの皮とフライドガーリック、桜海老

"具だくさんラー油"については『和食にも合う! 「絶品具だくさんラー油」のつくり方』で触れているので読んでみてほしい。今回使用する材料は以下に挙げてある通り。どうだろう、ほとんどの素材は家庭にあるはず。フライドガーリックは、売っていない場合はニンニクスライスを揚げて自分でつくってみよう。前回と比較すると、朝天辣椒が七味唐辛子に、花椒が日本の山椒に……とそれぞれ置き換えているのだが、今回のオリジナルポイントがこのフライドガーリックとなる。花椒はかなりインパクトのある風味で、それを日本の山椒で代用するとややマイルドな味わいになる。そこで、フライドガーリックをプラスして"ガツン"とした風味を出しているわけだ。

さらに、前回は陳皮を使用しているが、今回はみかんの皮。同じものなのだが、前回はドライタイプで専門店で販売されているものを使った。今回は、普通にみかんの皮をむいてゴマ油で揚げ煮にしている。みかんや陳皮を使うことで、ふわっとした香りや清涼感ある後味が生まれる。陳皮は七味唐辛子にも入っているが、より風味を強調させるためにプラスしている。

また、前回同様乾燥桜エビも味わいのポイントとなる。辛いだけのラー油は食べ飽き、合わせる料理を選んでしまう。辛さに旨みが加わってこそ、中国料理だけではなく和食にも合うラー油となるのだ。そこで、力を発揮してくれるのが桜エビ。これを加えるだけで、グッと旨みが増す。桜エビの代わりに小エビ(乾燥タイプ)を使ってもよい。

「簡易版・絶品具だくさんラー油」

材料
ゴマ油200g / 長ネギ 1本 / みかんの皮 少量 / ニンニク 2カケ / 鷹の爪 7g / 桜エビ 2g / フライドガーリック 9g / 七味唐辛子 15g / 山椒 4g / 砂糖 小さじ1/2 / 醤油 小さじ1

油で揚げ煮にしていく素材である長ネギ、みかんの皮、ニンニク

"具材"となる素材たち

つくり方

1.鍋に3/4量のゴマ油、斜め切りにした長ネギ、みかんの皮、やや厚めにスライスしたニンニクを入れる。中火で長ネギやニンニクがキツネ色になるまで熱する。油はねしないよう素材はすべて水気を拭いておく。
2.まず鷹の爪と桜エビを粉末状にする。フライドガーリックは粗く砕く程度で。これらの素材と七味唐辛子、山椒、砂糖をボウルに入れる。
3.1の油を漉しながら2に少しずつ入れる。高温なので、やけどしないよう注意しよう。1を全量入れたら、全体をゆっくりと混ぜる。少し温度が下がったら、醤油を入れ、さらに温度が下がったら、ゴマ油の残りを加える。

前回紹介した具だくさんラー油のように、しびれるような辛さはないが、日本の山椒特有の清涼感ある辛さが特徴的だ。我が家では、ゴマドレッシングと混ぜてサラダにかけたり、"具"の部分を鍋の薬味にも活用している。意外なところでは、卵かけごはんにちょっとかけるのもよかった。辛さを控えめにする場合は、鷹の爪の量を少なくするとよい。

前回と比べると、買い求めやすい素材でつくっているので、費用も随分と浮いている。まずは簡易版である今回のラー油からチャレンジし、徐々に専門度を上げて行ってはいかがだろうか。