身近な食材で絶品チャーハンをつくるべく、進めてきたこの連載。今回は、様々なチャーハンに使える"魔法の調味料"を紹介する。定番の玉子チャーハンはもちろん、いつものチャーハンに使うだけで、プロの味に近づく万能調味料を東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さんに考えていただいた。

とにかく便利な自家製調味料「ニンニク唐辛子醤油」

その調味料は「ニンニク唐辛子醤油」。つくり方は、ニンニクや唐辛子を醤油、オイスターソースなどと合わせて沸かし、漬け込むだけ。ニンニクは、通常生のニンニクを使うが、今回は簡単につくるために、乾燥タイプのスライスガーリックを使った。最近では、スーパーだけではなく100円ショップでも販売されているので、すぐに入手できるはずだ。

材料
水 150g / 濃口醤油 250g / オイスターソース 25g / 砂糖 25g / ドライタイプのスライスガーリック 40g / 鷹の爪 5本

つくり方

1.水をフライパンに入れ、強火で沸かす。
2.濃口醤油を加えて加熱をし続け、沸騰させる。沸騰したらオイスターソースを加えて溶かし、さらに砂糖を入れて溶かす。再度軽く沸いたら火を止め、あら熱を取る。
3.2が冷めたら器や保存容器に移し、ガーリックスライスと鷹の爪を入れる。そのまま保存し、次の日から使用できる。

完成したニンニク唐辛子醤油、醤油をチャーハンの味付けに使うだけではなく、漬け込んだニンニクも加えるとちょっとパンチのある味わいのチャーハンに仕上げることができる。もちろん、チャーハン以外の料理にも活用可能で、ニンニクは卵かけごはんのトッピングにしてみてもいいし、そのまま酒の肴として食べるのもオススメ。醤油は、ドレッシングのベース、炒めものの味付けにも使え、蒸した野菜や肉に少しかけて食べるのもおいしい。もっと簡単な使い方としては、「冷奴にかけて食べるのもいいですよ」とのこと。

なお、3の手順で、熱いうちにスライスガーリックを入れてしまうと、ニンニクがボロボロになるので注意。冷めてから加えると、乾燥したものがうまく戻り、生のニンニクのような食感に仕上がる。また、辛いもの好きな人は、今回のように鷹の爪を丸ごと入れるのではなく、輪切りにしてから使うと辛さがアップするのでオススメだ。保存は空き瓶など蓋付きの容器に入れて冷蔵庫内で。そうすれば1カ月はもつので、多めにつくって様々な料理に利用してみてはいかがだろうか。

教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ兼ソムリエ
薮崎友宏さん


横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905
この連載では、家庭で再現しやすいよう、卓上コンロと一般家庭にあるテフロンフライパンを使って調理していただいています。

撮影: キミヒロ