人気映画作品を24時間放送する「スター・チャンネル ハイビジョン」([BS 10Ch])が12月20日(日)と26日(土)に無料放送を実施する。しかもこの期間に放映される8作品は、すべてがハリウッドのメジャースタジオタイトル。本放送同様の豪華なラインナップが鮮明画質と迫力の5.1chサラウンドで視聴できるというから驚きだ。その狙いをスター・チャンネルの放送本部長兼マーケティング本部長である三上義之氏に直撃。今後の方向性についても話を伺った。

三上義之
1998年に東北新社に入社。スター・チャンネルでは主に編成を10年近く担当。2005年に編成部長、マーケティング部長を兼任。2008年から放送本部長兼マーケティング本部長

――ゴールデンウィーク、シルバーウィークに続く「年末無料放送2days!」ですね。

三上 : 「長期休暇といえば、というように定番にしているわけではないのですが、一昨年にBSのほうがハイビジョン化したときに、実施してみようかという話になりまして、それがかなり反響があったので続けています。時間帯によっては電話がパンクするくらいの状況だったのですよ。問い合わせ数は万単位になるときもあったので、こちらが驚きました。薄型テレビが普及してハイビジョン化が進んだおかげですね。ご存じのように最近のテレビはBSデジタルチューナーを内蔵していますから、チャンネルをBS10chにあわせるだけで気軽に見られるようになったということが大きいのだと思います」

――無料放送は12月20日(日)と26日(土)。クリスマスはあえて外したのですか?

三上 : 「そうですね。皆さん、出かけてしまいますから(笑)。休みがあり、週末に家にいらっしゃる方がターゲットですね。。年末はやはり一番、映画の需要が高いと我々は思っていますので、かなり期待はしています」

――さて、今回のラインナップですが

三上 : 「弊社の売りは新作なので、新作を放送したいところなのですが、なかなか権利の関係で無料放送はできません。未公開作品など知名度の低い作品なら新作も放送できる場合もあるのですが、それではなかなか視聴に繋がらないですし。そこでラインナップとしては、誰でも知っているハリウッドスターが出て、途中からチャンネルをあわせても楽しめるようなアクション、そしてサスペンス映画を選びました。たとえば『ダイ・ハード3』」

――なかでもオススメなのは?

三上 : 「先ほど言った『ダイ・ハード3』、それに『コラテラル・ダメージ』。あと、ハリウッドのヒットメーカーであるジェリー・ブラッカイマーが手がけた『ザ・ロック』なども、まだ地上波のゴールデン枠で放映しても視聴率を取るタイトルです。また現在、公開中の『2012』と同じ、ローランド・エメリッヒ監督のパニック映画『デイ・アフター・トゥモロー』も放映するので、こちらも注目していただきたいですね」

『ダイ・ハード3』

『コラテラル・ダメージ』

――なるほど、大作ばかりですね。

三上 : 「ブルーレイディスクも普及し始めていますが、まだハイビジョン映画を観る機会は少ないと思うので、ぜひ今回の無料放送で体験してもらえれば。なんといっても迫力が違いますから。その合間に12月、1月のタイトルの番組宣伝も放送しますので、そのまま申し込んで頂ければありがたいですね」

――損はさせない、ということですね。

三上 : 「ええ。特に年末年始は"年末年始メガヒット100時間一挙放送!"と称しまして、連続で『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのようなヒットタイトルを一挙連続放送いたします。今年の集大成的に人気作を次々に放送いたしますので、映画が好きな人にはたまらないラインナップになっているかと思いますよ」

――そのほか今後の予定はありますか?

三上 : 「新しい試みとしては吹き替えの「スター・チャンネル プラス」のほうで3D映画『センター・オブ・ジ・アース -3D-』を放送いたします。ハリウッドでは3D映画がブームとなっていて、今後も増えていきそうな流れなので、まだ試験的ではありますが、そうした作品も将来的には積極的に放送していきたいですね」

――映画専門チャンネルとして、今まで以上に他とは差別化を図っていくということですか?

三上 : 「そうですね。特に今は邦画が強くて、洋画のヒット作が少ないですよね。我々としてはこれは痛い。ヒット作がいくつもあれば、それだけでアピールをしていけるのですが、現在は編成的な工夫が必要であり、それが一番の課題だと感じています。昨年あたりからそういうことを考えて、実際いろいろと特集を組んでいるのですよ。ちょっと前ですけど淀川さんの生誕100年の日に、昔のテレビ朝日の前解説を付けて映画を放送したり。映画ファンではなくとも、観てみたいと思わせるような後押しを加えていく。たとえば1月には"シネマ・コラボ ~洋画×邦画~"と題して高倉健さんを特集する予定です。洋画と邦画で高倉健さんの異なる魅力をお届けしようという試みですね」

――邦画とはスター・チャンネルさんらしくないですね

三上 : 「確かに弊社はハリウッドというイメージですよね。でも、それは我々が勝手に思っていることなのかな。実は視聴者に向けた調査だと別に邦画を放映してはダメという声は少ないのですよ。それなのに我々がハリウッド映画だけに固執している事はサービスとしてはよくない。もちろん、今後もハリウッド映画を中心に編成していくことは変わりませんので、洋画ファンには安心していただければと思いますが、いろいろ視聴者の声を聞きながらニーズもつかんでいくことも大切ですので、今回もそのトライアルの一環としての取り組みと考えています」

――視聴者の声に応えていくというわけですね。今後も無料放送は定期的に継続していくのでしょうか?

三上 : 「基本的には今後もタイミングを見ながら続けていきたいですね。なんにせよ我々のサービスは体験してもらわないと、なかなか良さを感じていただけない商品ですので、まずは観てもらいたい。BSデジタル放送で「スター・チャンネル ハイビジョン」を見るにはスカパー!e2に入っていただく必要がありますが、入っていただければ他の日本語吹き替え専門の「スター・チャンネル プラス」と名作系の「スター・チャンネル クラシック」も御覧いただけます。ケーブルテレビ局などでも視聴できますので、この機会に一本でも多く楽しんでいただけたら幸いですね」

ラインナップに自信あり。それがわかっていただければ必ず、継続して視聴してくれる。そう語る三上氏だ。今回の無料放送をきっかけにスター・チャンネルで映画のある生活を始めてみてはいかがだろう。忙しい日常のなか、忘れかけている喜怒哀楽。映画にはそれがすべて、あるはずだ。


また、スター・チャンネルでは、12月30日より2010年1月5日までの期間で「年末年始スペシャルメガヒット100時間一挙放送!」も実施。『センター・オブ・ジ・アース-』、『X-ファイル:真実を求めて』、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』、『ハンコック』ほか、最新のメガヒット作品を一挙放送する。視聴方法は、公式サイトを参照。

『ダイ・ハード3』(c) 1995 Cinergi Productions N.V., Inc. Cinergi PicturesEntertainment, Inc. and Twentieth Century Fox Film Corporation.『コラテラル・ダメージ』(c)Warner Bros. Entertainment Inc.