12月13日、東京・杉並区の阿佐ヶ谷ロフトにて、トークイベント「ぼくたちの わたしたちの 青い花」が開催された。

チケットも即日完売し、超満員となった会場の模様。左より司会を務めたライターの宮昌太朗、奥平あきら役の儀武ゆう子、万城目ふみ役の高部あい、プロデューサーの松倉友二、アニメ評論家の藤津亮太

2009年7月から9月にかけて放映されたTVアニメ『青い花』は、『マンガ・エロティクス・エフ』誌にて連載中の、志村貴子氏の同名マンガを原作とした作品。鎌倉を舞台に、女子高に通う少女たちの友情と淡い恋愛模様を、繊細に描き出し、多数の支持を獲得した。

今回のトークイベントは、同作品が『オトナファミ』誌の特集「2009年掘り出しエンタランキング」のアニメ部門で第1位を獲得したことと、第13回文化庁メディア芸術祭「アニメーション部門/長編」カテゴリで、審査委員会推薦作品に選出されたことを記念したもの。放映終了後も根強い支持を得ていることから、晴れてオフィシャルイベント開催の運びとなった。

イベントでは、壇上の出演者がセレクトした「わたしが選んだ青い花ベストシーン」や、会場アンケートによる質疑応答、さらに最終話鑑賞会やプレゼント抽選会が行われた。ステージから客席までの距離が近いこともあって、出演者とファンの間で会話が交わされることもしばしば。持ち役のあきらそのままの明るさで会場を盛り上げた儀武ゆう子と、声優初挑戦ながらハマリ役となった高部あいの、劇中さながらの仲の良いトークに、会場からも共感や笑い声が何度も上がっていた。記事では、最後に登壇者から語られた『青い花』を振り返ってのコメントを紹介しておきたい。

■高部あい (万城目ふみ役)
「(アフレコは)初めてなのに、こんなに素敵な作品に参加させていただいた上、いろんなところで『素敵な作品だね』と言われたり、賞をいただいたりと、本当にみなさんに感謝しています。絶対に第二期をやりたいので、今後とも『青い花』の応援をよろしくお願いします」

■儀武ゆう子 (奥平あきら役)
「初めての主演だったこともあるんですが、すごく恵まれた作品だったと思います、こんなふうに作品に付き合っていただいて、本当に愛してくださるみなさんに巡り会えて、うれしくて幸せです。できることならまたあーちゃんをやりたいです。今日はありがとうございました」

■藤津亮太 (アニメ評論家)
「作品って記録にも意味があるんですけど、やっぱり記憶のほうが大事だと思うので、こうやって『青い花』がみんなの記憶にもう一度刻まれていくのは本当にいいことだなと、僕もうれしく思いました。どうもありがとうございました」

■松倉友二 (『青い花』プロデューサー)
「消化するだけのアニメではしょうがないだろうと自分も思っていて、(『青い花』が)何年経ってもみんなの記憶に残るアニメーションにまずはなったんじゃないかなと思います。あちこちで広めていただいて、できることならDVDを買っていただければ、第2期につながる一歩となるので、よろしくお願いします」

『青い花』で主演を務めたふたり。アフレコはもちろん、ネットラジオ「青い花~Sweet Blue Radio~」でもふたりでMCを務めたこともあって、トークの息もぴったり

オーディションではあきら役も受ける予定だったという高部。原作マンガから、あきらのセリフを試しに読んでみようと相談中。こういう何気ないしぐさから見える仲の良さは、女子ならでは?

会場に集まったファンで、最終回となる第11話「冬の花火」を鑑賞中。生オーディオコメンタリーを行うはずが、名シーンに全員見入っております……

イベントの終盤には、感激屋の儀武が思わず涙をこぼすひと幕も。「あーちゃんはすぐ泣くんだから」と会場から名ゼリフでフォロー

サイン入り台本や、立て看板など豪華プレゼントの抽選会も実施。女子高が舞台の『青い花』とは対照的に、会場は男子率高し!

原作マンガがまだ連載中ということもあって、登壇者それぞれからの「アニメでも続きをやってみたい」という声に、客席からは大きな拍手が贈られていた。果たして実際に第2期の企画が動き出すかは、これからの口コミ次第? DVDは現在続巻中ということで、未見の人は、評判の高さをぜひその目で確かめてみてほしい。

メディアファクトリーより発売中の『青い花』DVD第2巻。価格は5,775円。パッケージイラストは原作者の志村貴子による描き下ろし。12月22日には第3巻も発売予定

(C)2009 志村貴子・太田出版/青い花製作委員会