ブラッド・ピット

クエンティン・タランティーノ監督の最新作『イングロリアス・バスターズ』の公開を前に、監督と主演のブラッド・ピットらが来日。4日に都内で行われた来日記者会見とジャパン・プレミアに出席した。

第二次世界大戦期、ナチス占領下に置かれたフランスを舞台に、アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる架空の部隊「イングロリアス・バスターズ」の戦いの日々を描く本作。タランティーノ監督は「自分のバージョンの戦争映画を作りたいと思い、10年ほど前から脚本を書き始めたんだ。アルド・レインは当初からいた登場人物のひとりだけど、特定の俳優をイメージして描いたわけではないんだよ」と述べた上で、ブラピを主役に選んだ経緯を、「昨年、未完だったこの物語を終わらせようと真剣に取り組んだ時、アルド・レインを演じる俳優として真っ先に浮かんだのが彼だった。ただ、なんといっても彼は地球上で最大の映画スター。ぶっちゃけ、彼が『できない』と言っていたら、僕は大変なことになっていたと思うよ」と語った。

今年2度目の来日となるブラピ。「素晴らしいキャストだけどみんな話す言語が違う。それがこの映画をリッチでユニークにしたんだ」

タランティーノ監督は「ブラッド・ピットのキャリアで最高の時期に仕事できて嬉しい。年齢もスター性も、すべてパーフェクト!」

ナチスへの復讐を誓う美少女・ショシャナ役のメラニー・ロラン。「タランティーノ監督との仕事は、夢を見たような気分だったわ」

『キル・ビル』でも好演したジュリー・ドレフュス。2作続けての出演に「タランティーノのファミリーに入った気分。ラッキー!(笑)」

その言葉を受けて、「監督が第二次世界大戦を題材とした映画を作るらしいとの噂は、じつは8年くらい前からハリウッド中に流れていたんだ」とブラピ。「その噂が現実のものとなり、しかも僕が主役に選ばれるとは思ってもいなかったよ。でも僕のために、監督がこの役を渡してくれたことにに感動して、彼のシナリオを尊重しながら作品に参加したんだ」と話し、本作によってタランティーノ監督との絆が深まったことを感じさせた。

この日集まった報道陣からは、ブラピに向けて「先月、バイク事故に遭ったとのことだが……」との声が。「パパラッチから逃げようとしてやってしまったんだ。大きなケガはなかったけど、僕の自尊心だけが傷ついたよ(笑)。しかもパパラッチのいいネタになってしまい、逆効果だったかも」と彼は冗談交じりに話し、会場からも笑いが。「今回の役柄についての家族の反応は?」との質問には、「あまり家族向けの映画ではないかもね。とくにアクションシーンが」とだけ答え、妻のアンジェリーナ・ジョリーとの近況を聞き出そうとする報道陣を煙に巻いていた。

記者会見の後には東京国際フォーラムに会場を移してジャパンプレミアを開催。ブラピや監督がレッドカーペットならぬ"イエローカーペット"を歩いた

なお、日本での公開に合わせ、公開直後の4日間(11月20~23日)限定で「面白さタランかったら全額返金しバスターズ!!」と称したキャンペーンが行われるそう。「日本の配給会社と話し合って決めたけど、『ぜひやってやろうじゃないか!』って気持ちだよ」と監督は自信満々。本編開始後、60分以内に途中退出したら全額返金されるとのことだが、「面白くなかったら、どうぞ映画館を出てください。僕らは他の残った方々と楽しくやりますから(笑)」。タランティーノ監督らしく、本作に絶対の自信を持っている様子だった。

映画『イングロリアス・バスターズ』は、11月20日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー。