鉄道・運輸機構とJR東海は13日、中央新幹線東京都 - 大阪市間の試算比較データを発表した。JR東海が推進する「南アルプスルート」と、長野県の地元自治体が要望する「木曽谷ルート」「伊那谷ルート」について比較し、さらに同ルートを既存の新幹線技術で建設した場合の数字も参考として挙げている。
想定ルート | 木曽谷 | 伊那谷 | 南アルプス | 南アルプス(在来型新幹線) |
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路線長 | 486km | 498km | 438km | 438km |
所用時分(最速) | 73分 | 74分 | 67分 | 120分 |
工事費(建設費+車両費) | 89,800億円 | 90,900億円 | 84,400億円 | 64,000億円 |
年間維持費 | 3,290億円 | 3,330億円 | 3,080億円 | 1,770億円 |
輸送需要量(2045年) | 396億人キロ | 392億人キロ | 416億人キロ | 219億人キロ |
同データは6月と7月に発表された東京都 - 名古屋市間のデータを元に、中央新幹線を大阪市まで延伸したと想定したもの。試算ルールについては東京都 - 名古屋市間のデータと同じで、都市部では大深度地下に建設、その他の地域は地勢と施工のしやすさなどを考慮したとのこと。
東京都 - 名古屋市のデータと東京都 - 大阪市のデータを比較すると、名古屋市 - 大阪市の路線の長さは152kmと想定しているようだ。最速列車の所要67分は名古屋駅の停車を前提としているとのこと。大阪延伸により名古屋での乗り換えが不要になるため、東京 - 大阪間の予想需要量が増えると予測。その結果、総距離が長いルートほど車両費、維持費などが増加するという。