内閣府は7日、8月の景気動向指数(速報)を発表した。速報によると現在の景気とほぼ一致して動く「一致指数」は91.4で、前月比で1.6ポイント上昇。前月を上回るのはこれで5カ月連続となるが、基調判断は前月と変わらず、4カ月連続で「下げ止まりを示している」となっている。

景気動向指数は、景気の現状把握や将来予測に資するために作成された総合的な景気指標。景気変動の大きさなどを測定するCI(コンポジット・インデックス)と、景気転換点の判定に用いるDI(ディフュージョン・インデックス)がある。内閣府は2008年4月分よりDI中心からCI中心の公表形態へと移行している。

一致指数は今年3月に84.7にまで落ち込んでから5カ月連続で上昇。8月は所定外労働時間指数(製造業)が前月比7.3ポイント、投資財出荷指数(輸送機器を除く)が同4.1ポイントとそれぞれ大きく上昇した。前月まで14カ月連続で悪化していた有効求人倍率は前月比横ばいとなった。

景気に先行して動く「先行指数」は、前月比で0.8ポイント上昇の83.3で6カ月連続の上昇。東証株価指数や耐久消費財出荷指数などが上昇する一方で、中小企業売り上げ見通しD.Iはマイナス3.5と6カ月ぶりに悪化。新設住宅着工床面積もマイナス6.8と3カ月ぶりに悪化に転じた。景気に対し遅れて動く「遅行指数」は前月比1.0ポイント上昇の83.8で、2カ月ぶりの上昇となった。