買い物によく行く女性にとっては、割安の「プライベートブランド(PB)」はもう常識だろう。ただ、男性はまだ上手に活用できていないのでは!? と思い、今回はマイコミジャーナル読者の男性陣向けに、日々進化しているPBについて紹介する。
PBは、スーパー・コンビニなどが自ら企画生産して販売する独自のブランド商品で、一般にメーカー製品であるナショナルブランド(NB)より割安になっているのはご存知だろう。では、PBで有名なセブン&アイ・ホールディングス、西友、イオンの最近の動向を見てみよう。
セブン&アイ・ホールディングスの『ザ・プライス』
大手小売業の中でも最も新しいPBといえば、6月22日より、セブン&アイ・ホールディングスが新たに発売したPB『ザ・プライス』だ。同社はPB『セブンプレミアム』でも有名だが、『ザ・プライス』はNB価格の最大5割安を実現。国内産の穴あきのりで「焼のり(全型10枚)」が177円、こわれ入りで「醤油せんべい(15枚)」が197円などとなっている。
『ザ・プライス』は同社運営のディスカウントストア「ザ・プライス」で販売され、2009年度中に食料品や暮らしの品を約350品投入する予定とのこと。同店舗も7月16日現在までに東京都2、埼玉県4、神奈川県1、千葉県2と計9店舗がイトーヨーカドー店舗から業態変更しており、2009年度中に首都圏で計20店舗まで拡大するようだ。
西友の『Great Value(グレートバリュー)』
西友が販売している食品・日用品の消耗品のPB『グレートバリュー』は、2008年度末で約1,500品目に上っている。広告宣伝費をかけず、計画生産を行っていることなどから、NBと比べて1割~3割程度安いという。最近では、「『グレートバリュー』の豆菓子がビールのおつまみとして好調」(広報担当者)だという。ミックスナッツ(165g)298円、カシューナッツ(135g)298円などだ。
また、同社で販売している英国発の衣料品のPB『George(ジョージ)』も「安いのにカッコいい」ということで人気が高い。こちらは2010年度までに2008年度対比で約2倍の売上に伸ばす予定で力を入れている。
イオンの『べストプライス by トップバリュ』
イオンのPB『トップバリュ』は1994年にスタートし、現在の取り扱い商品数は衣食住で約5,000品目。その分野は、生鮮・加工食品、飲料、日用雑貨、住まいの用品、衣料品、自転車、文具、玩具などまで多岐にわたる。赤いラベルが特徴の中心的なPB『トップバリュ』のほか、6つのサブPBを有する。代表的なNBと比較して、同等以上の品質を持ちながら赤いラベルの『トップバリュ』で1割~3割安く、8月までに新たに500品目を投入する低価格なPB『べストプライス by トップバリュ』は3割~5割安く設定しているという。
『べストプライス by トップバリュ』の安さの秘密は、必要な機能や包材だけに絞ることでコスト削減したこと。パッケージには安さのポイントも明記しており、計量スプーンを無くしパッケージを簡素化した「衣料用洗剤」(1.0kg)は148円、紙箱を無くした「ティッシュペーパー 5個パック」は188円などがある。
最近では、大手スーパーやコンビニだけでなく、苦戦が続く百貨店もスーツなどのPBを拡充するなど、様々な業界でPBが開発されている。PBに関する話題も後を絶たず、第三のビールのPBとして、イオンが「麦の薫り」(350ml缶100円、500ml缶145円)、セブン&アイ・ホールディングスが「THE BREW ノドごしスッキリ」(350ml缶123円、350ml缶×6缶パック600円)を7月末に圧倒的な安値で発売すると発表すれば、ダイエーも「バーゲンブロー ノイヴェルト」を17日~8月2日の期間限定で350ml缶89円に値下げをするいう動きを見せた。消費者の節約志向に合わせて、今後もこういった安値競争が広がりを見せそうだ。