7月22日、日食は下を見ても観察できる

いよいよ近づいてきた7月22日(水)は、日本の陸地で46年ぶりに観測できる皆既日食の日。皆既日食ツアーは早くから満席状態といわれるが、東京でも部分日食は観測できる。東京での日食のはじまりは9時55分33秒。日食の最大は11時12分58秒で、終わりは12時30分20秒。会社に勤めていても昼休みに観測可能だ。

太陽を見ない観測方法も

フィルムの切れ端を使ったり、サングラスを使ったり、すすをつけたガラスを使ったり……、そういう観測を昔にしたという人もいるかもしれないが、現在ではすべて危険な行為なので絶対にしないよう、国立天文台をはじめとする研究機関は注意を呼びかけている。

専用のグッズもネットなどで販売されているが、最近、マスコミに日食が頻繁に取り上げられてきたため、在庫がかなり少なくなってきていると言われる。それに、仕事の昼休みにちょっと楽しむ、というにはちょっとハードルが高い。なので、太陽を見なくても部分日食を観測できる方法をお薦めしたい。

例えば、紙(テレホンカードなどでもOK)に穴を開けて、その穴を通った太陽の光を見ると、日食とともに光の形が変化していくのがわかる。また手鏡を使って壁などに光を反射させるという方法もある。これらは国立天文台等の専用サイトに詳しく記されている。

ふつうなら丸く映るはずの太陽光が、日食の形となっている 画像提供 : 平野岳史氏

麦わら帽子をかざしても欠けた太陽の形がわかる 画像提供 : 平野岳史氏

木もれ日も不思議な形に変化

また、地面に映る太陽の形の変化は、木漏れ日でも見られるという。ふだんはぼんやりと丸い木漏れ日も、日食では太陽の形になっていくのだ。JAXA(宇宙航空研究開発機構)では、「みんなで木もれ日を撮ろう」キャンペーンを実施、22日当日に撮影された木漏れ日の写真を募集している。

うまく撮影するためには、何よりもいい場所を見つけておくことが必要。梅雨の雨や曇り続きで、なかなか影の具合が見極められるところを探すのは難しい季節だが、会社近くの公園など、今からでも気に留めておくのがいいだろう。実際にどのような写真が撮れるのかは、国立天文台等の専用サイトに掲載されている。

ふだんの木漏れ日は、ぼんやりと丸く地面に映っている

日食では、壁に映った木漏れ日も太陽の欠けた形になる 画像提供 : 加藤一孝氏

各地で関連イベントなども

部分日食もいいけど、やっぱり皆既日食が見たい! という人には、皆既日食の映像中継などを行なうイベントも各地で開催される予定なので、参加してみるのもよいだろう。ただし、事前申し込みが必要なものなどもあるので確認はしておきたい。また、皆既日食のインターネット中継も行なわれる。

今世紀最大といわれる皆既日食。次回、日本で見られるのは26年後なので、ぜひ積極的に楽しみたいもの。あとは天気に恵まれることを期待しよう。