フードディレクターとして活躍中の野村友里氏の初監督作品『eatrip』が6日、公開初日を迎え、東京・恵比寿ガーデンシネマで行われた舞台挨拶に野村監督、浅野忠信、UAが登場した。

『eatrip』初日舞台挨拶に登場した(写真左から)浅野忠信、野村友里監督、UA

浅野やUAなどへのインタビューを通し、毎日を生き生きと過ごす人々の"食"との向き合い方を描き出した同作。浅野は「普段は台本があっての映画が多いけど、この作品では台本がない中、初めて出会う方々と同じ映像世界に入っていくという、すごく新鮮な経験をさせていただきました」とコメント。一方、UAは昨年出産したばかりの長女を抱いて登場。彼女が妊娠している間に撮影が行われたらしく、「娘っ子が腹におる頃の季節が流れております(笑)。気持ちいい映画なので、リラックスして見てください」と語った。

浅野は、「映画を見た後、『お腹が空いた』という反応が多いんです。食事をおいしく食べられるようになる作品だと思います」

「こんなにキッチンが似合う人だとは思いませんでした」と監督がUAの印象を述べると、「最近はキッチンが舞台だから(笑)」とUA

野村監督とはプライベートでも仲がいいという浅野とUA。監督としての彼女の印象を聞かれると、「撮影中、友里ちゃんはいつも、『これでいいのかなあ』と言ってくるんですよ。もっと自信を持ってください(笑)」(浅野)、「こんなに監督じゃない監督もいないなと。ある意味、ニュー監督!?」(UA)と、仲の良さゆえの"毒舌"コメントが。ちなみに浅野は、食にちなんだ短編を作ったり、曲も送ったりと監督への協力を惜しまなかったとのことだが、「全然使ってもらえませんでした……(笑)」。この発言に監督も苦笑い。

同作は第33回モントリオール世界映画祭(8月開幕)の「ドキュメンタリー・オブ・ザ・ワールド」への出品が決定している。浅野も作品の出来に心底満足している様子で、「すごくピュアで、僕らみたいな人間には絶対撮れない作品だと思いました。日本の食文化は海外でも関心を持たれているし、きっと世界中の人々の心に届く作品になると思います」とコメント。UAも、「全編フィルムで撮影され、優しいトーンの映画になっていて、それがドキュメンタリー色を深めていると思います」と称えていた。

『eatrip』は、恵比寿ガーデンシネマほかにて全国劇場公開。なお、恵比寿ガーデンシネマでは、スペシャルゲストを招いてのイベントを連日開催する予定だ。