浅野忠信、中村獅童、須藤元気、m-floのVERBAL、RIP SLYMEのILMARI、ユースケ・サンタマリアの6人が監督するオムニバス映画『R246 STORY』の製作発表記者会見が12日、都内のホテルで行われた。

写真左から、浅野忠信、中村獅童、須藤元気、VERBAL、ILMARI、ユースケ・サンタマリア

浅野忠信監督の『224466』

青山、表参道、渋谷、三宿という、さまざまな若者カルチャーを生んできた地を通る国道246号線(東京都千代田区~静岡県沼津間を結ぶ)を舞台に、ファンタジー、ラブストーリー、ドキュメンタリーと、6人それぞれが思い描く「R246」を映像化していく同作。浅野以外は監督初挑戦となるが、各界の一線で活躍する6人が今回集まった。ファンタジーやりたかったという浅野は「246号線の上に通る高速道路を支える柱が、十字架見えることがあるんですよ。それをヒントにアイデアを膨らませたんですが、自分でもどう説明していいかわからなくて。そこで、青山(真治)監督にお願いして脚本を書いてもらったんですが、ますますわからなくなったという(笑)。周りに理解されないまま現場に入って、初めて『なるほど~』とわかってもらえました」と語る。

中村獅童監督の『JIROル-伝説のYO・NA・O・SHI』

一度はオファーを断ろうと思ったというユースケは「やりたいことは溢れてるんですが、実際に監督をやってみると大変。もしかしたら、お蔵入りするかもしれないです(笑)」とユースケ節で笑わせた。6作品中、唯一の時代劇を撮った中村は「やりたいことを存分にやらせていただきましたが、時代劇はこんなにもお金がかかるのかと思いましたね(笑)」と、それぞれが楽しみながらも試行錯誤をしているようだ。プロデューサーの豊田健雄氏は「皆さん、だんだんと監督の顔になっていった」と話しており、5月上旬までには撮影を終了する予定。8月下旬より渋谷Q-AXほかにて全国順次ロードショーされる。

『R246 STORY』監督の6人

浅野忠信
「撮影を進めていくうちにどんどん作品が変わっていきました。内容は……やっぱりよくわからないですね(笑)」

中村獅童
「キャロル(ロックバンド)好きには堪らないおバカ映画です。頭を柔らかくしていただいて、笑ってもらえれば」

須藤元気
「日常に非日常をプラスしたサイエンスフィクションです。アンニュイな雰囲気と独特な世界観を出したかった」

VERBAL
「マイケル・ムーアにインスパイアされて作ったドキュメンタリーです。アーティストが今の音楽業界をどう思っているのかを伝えたい」

ILMARI
「『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)の世界観をイメージしていただければ。クラブで遊んでいる人たちの心の変化を描きたい」

ユースケ・サンタマリア
「『タンポポ』(1985年)のように、でてくる料理が旨そうに感じられる映画にしたいですね。ラブストーリーではありますが、弁当が主役です(笑)」

『R246 STORY』概要

作品名 監督 脚本 主なキャスト 内容
『224466』 浅野忠信 青山真治 浅野忠信、加瀬亮、永瀬正敏、豊原功輔 R246を徘徊する老人(加瀬)と少女の前に現れたロックンロール星人の246(浅野)は、身体の一部であるドラムキットをなくしてしまい、身体が衰弱しきっていた。老人と少女は、246を助けるためにドラムキットを探しに出かけるのだが……。
『JIROル-伝説のYO・NA・O・SHI』 中村獅童 河原雅彦 中村獅童、的場浩司、大杉漣、中村ゆり 清水の次郎長(的場)からの命令で、世直しのために現代の東京へ向かう森の石松(中村)。次郎長のキャデラックに乗り込み、「世直し」を口実にムチャを繰り返す。
『ありふれた帰省』 須藤元気 須藤元気ほか 須藤元気、津田寛治、眞島秀和、林雄大 離れ離れになった恋人を探すためにR246で交通量調査を行う井上(須藤)。仕事仲間たち(津田、眞島、林)が協力して探すことになったが見つからない。井上は、諦めて実家に帰ろうとする。
『DEAD NOISE』 VERBAL VERBAL(企画・構成) 未定 VERBAL本人が、日本のHIPHOP界をリードするアーティストにインタビューし、「今後の日本のHIPHOP界はどうなるのか?」というテーマに迫るドキュメンタリー。
『CLUB246』 ILMARI ILMARIほか ILMARI、石田卓也、HARU 内気なジュリ(石田)は、クラブが大好きでアイドル的存在であるサキ(HARU)に想いを寄せていた。ジュリは、サキに少しでも近づこうと、初めてクラブに行く。そこで待ち受けていたのは、ジュリの知らない非日常的世界だった……。
『弁当夫婦』 ユースケ・サンタマリア ユースケ・サンタマリアほか 永作博美、ユースケ・サンタマリア 長く同棲生活を続けている男女(ユースケ、永作)。2人は結婚を望んでいるが、タイミングを完全に逸していた。女は毎日弁当を作り、男と一緒に食べることを日課にしていたが、コミュニケーションは以前より少なくなっていて……。

(C)2008「R246 STORY」フィルムパートナーズ