後楽園、東京ドームを有する水道橋に18日、新しいコンセプトのホテルが誕生した。その名は「庭のホテル 東京」。5年近くをかけて開発に取り組んだ同ホテルは、江戸から明治にかけての名所旧跡が残る水道橋という立地から、江戸の伝統的な"和"と現代を融合した「和モダン」をコンセプトしているという。今回は先だって行われた内覧会の様子をお伝えする。
【中庭・エントランス】
瓦や水盤を使用した小さな雑木林をイメージした中庭
まず、ホテル名にも含まれている"庭"に注目したい。エントランス部分へと続く中庭は、ホテルをはじめとした数々の庭園を手がける山田茂雄氏によるもの。"小川を流れる小さな雑木林"をイメージに、一年を通じて四季を体感できる景観を作り上げたという。植栽は24種類が植えられており、建物正面の植栽をあわせると計32種類の草花が堪能できるそうだ。中庭に使用されている石や瓦は年代物をあえて取り入れた。この点からも"和"への徹底ぶりが窺える。
ロビー部分は"光"がポイントだ。常に明るい光が入り込んでくるようにと、東向きにある窓は床から天井までと大きなものになっている。フロントデスクの間接照明をかねたガラスオブジェとフロント上部分のペンダントライトはリサイクルガラスを使用。また、フロア中央にある床と天井をつなぐ、巨大な行燈のような照明は、柔らかい光の演出に一翼を担っている。
【客室】くつろげる空間を意識した、和の客室
全238室ある客室は、3階~15階に位置し、「スタンダード(18平米)」「スーペリアツイン(24平米)」「スーペリアダブル(24平米)」「コンフォート(30平米)」「プレミアム(36平米)」の5タイプで提供される。床からの大きな窓に障子、和紙を利用したヘッドボード、茶棚や家具など、"和"へのこだわりとゆったりとくつろげる居心地の良さを追求している。
どの客室も、大きめの液晶テレビと広めのバスが備えつけられている。ここで筆者が紹介したいのは、アメニティセットだ。ケースが簡素なものではなく、和紙風のもので用意されている。「女性のビジネス層を取り込みたい」(同ホテル総支配人 人見啓介氏)と言うように、持ち運びできるフェイスミラーや大きめサイズのランドリーバスケットなど細かい点に行き届いたサービスは、働く女性たちにも受け入れられるだろう。またビジネスマン利用を意識してか、1番小さい18平米の客室「スタンダード」でもデスク作業に十分な机が用意されている。
一番広い客室となる「プレミアム」では、ガラス張りのシャワーブースに、TVモニター付きのジャグジーバスが。室内には42インチの液晶テレビが設置されている。「ジュニアスイート的な客室です」と同ホテルのスタッフが自信を持つ、ゆったりとした客室だ。