舞台挨拶では、まず初めに登壇したJ.J.エイブラムス監督が自らマイクを手に、キャストを一人ひとり呼ぶという粋な演出で、オープニングセレモニーと同じメンバーが次々に姿を見せました。
「東京は僕が世界一好きな都市なので、また戻ってこられて嬉しい。特に新宿は眠らない街だと聞きました。素晴らしい街ですね」と挨拶したJ.J.エイブラムス監督に、ここでサプライズイベントが。
なんと、監督の大ファンだという新宿区の中山区長が登場し、花束を贈呈。ついでに中山区長、「次回作の舞台はぜひ新宿に!」とちゃっかりお願いするのも忘れていませんでした。
花束贈呈の後、司会者から本作の成功の要因を尋ねられた監督は、「皆さんが、とてもエキサイティングでロマンティックな映画を待ち望んでいたことだと思います」と答え、続いてプロデューサーのブライアン・バークが、「パートナーシップの秘訣は、J.J.の言う通りにすることです(笑)」とおどけつつ、「自分たちが愛せる作品を作るということを心がけていますね」と、監督との信頼関係をアピールしました。
また、主演のクリス・パインは「はじめまして、クリス・パインです。ありがとうございます。ニッポン最高!」と片言ながら日本語で挨拶し、今回の役作りについて「まず(スター・トレックの)TVシリーズを見たのですが、監督から制作に入る前に『とにかく新しいキャラクターを』と言われたのでそれを心がけました」と述べました。
また、映画ではカークの良き友人である軍医マッコイ役として出演したカール・アーバンも、クリス・パインと同様に「スター・トレックのプレミアにいらっしゃいませ。私たちは東京にいると心からとても嬉しいです。大変お世話になりました」と若干のたどたどしさはあるものの、綺麗な日本語で挨拶すると、後に控えていたエリック・バナが、「カールが言うことを僕も全部言うつもりでした(笑)」と便乗。
そのエリック・バナ、映画の中では悪役のネロを特殊メイクをして演じたとのことで、「今日もこの顔の下に(特殊メイクを)しています(笑)」と笑わせていました。
続いてスポックを演じたザッカリー・クイントが、共演したレナード・ニモイ(かつてのスポック役)について「彼と仕事ができたというのが、今回のハイライトのひとつでした。彼は本当に素晴らしい方で、色々と教えていただいて、今では友人と呼べる仲になりました。非常に感謝しています」と感慨深げに語りました。
また、映画の中で"フェンシングの得意な操縦士"スールーを演じたジョン・チョウは、「実際に武術をされるのですか?」という質問に、「素の僕はそんなに危険な男ではないので、皆さんどうぞご遠慮なく僕のことを抱きしめてください」と、これは上手い切り返し!
――キャストたちの仲の良さと、作品に対する愛情がしっかりと伝わってきた今回のジャパン・プレミア。またぜひ来日して、今度は映画を見終わった日本のファンを喜ばせてほしいと思います。
スター・トレックは5月29日(金)より丸の内ルーブル他全国ロードショーとなります。
……あと、ものすごく個人的なことですが、外に残されたままのUSSエンタープライズのその後がとても気になります。空気抜くの大変そうだなあ。……あ、空気とか言っちゃった。本物ですよ、もちろん!
撮影:石井健