日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)は7日、国際運賃に上乗せしていた燃油特別付加運賃(サーチャージ)について、7月~9月の発券分は全路線で廃止にすると発表した。原油価格の下落に伴う措置。燃油サーチャージが付加されないのは2005年2月に導入されてから初めてで、約4年半ぶりとなる。

燃油サーチャージは、ジェット燃料の値上がりに応じて国際線の通常の運賃とは別に徴収されるもので、3カ月ごとに見直される。今回の廃止は、7月~9月発券分の燃油サーチャージ改定の指標である2月~4月のジェット燃料の国際価格(シンガポールケロシン)の平均が1バレルあたり55.08ドルと、廃止基準としている60ドルを下回ったことによるもの。ただし、今回の廃止はあくまでも9月発券分まで。今後燃料価格が再び上昇に転じれば、10月以降に燃油サーチャージが"復活"する可能性もある。

両社の燃油サーチャージは昨夏の原油高騰で、2008年10月~12月期には、アメリカ本土往復6万6,000円、ハワイ往復4万4,000円、韓国往復8,000円にまで跳ね上がり、旅行者から「あまりに高い」と不満の声も上がっていた。その後は原油価格の下落により段階的に値下げされ、4月~6月期は、アメリカ本土往復7,000円、ハワイ往復4,000円、韓国往復400円にまで下がっている。