ヤマハ発動機は、1679ccV型水冷4ストロークDOHC4バルブエンジンを搭載した新「VMAX」を4月20日より発売する。同車は、2008年6月に1985年の登場以来のフルモデルチェンジを受けて欧州向けモデルとして発表され、今回国内投入されるもの。価格は231万円。

VMAX

新設計のオールアルミ製フレームに、水冷4ストロークDOHC V型4気筒4バルブエンジンを組み合わせた。エンジンは、従来の1200ccから大幅に増え1679ccへとされた。コンパクトな燃焼室を実現するため、カムチェーンで吸気側カムを直接駆動し、排気側カムは吸気側からギヤを介して動かす新カムチェーンレイアウトを採用した。これによりマスの集中、カム軸周りの小型化を促進したほか、燃焼室をコンパクトにできたという。そのほか、アルミ鍛造ピストンや、精度に優れるFSコンロッドを採用した。また、吸気ファンネル部にファンネル長をロング/ショートに切り替えることで良好な呼気脈動を作り出すYCC-I(ヤマハ電子制御インテーク)を採用したほか、燃料供給にはフューエルインジェクション(F.I.)、スロットルバルブ制御にはYCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)を採用した。駆動方式はシャフトドライブ。また、VMAXのトレードマークとなっている大型エアインテークが継承される。マフラーレイアウトは4-1-2-4で、三元触媒を備える。ボディカラーはブラックメタリックM(ブラック)1色のみ。

新設計の1679ccエンジン

カムチェーンは吸気側バルブだけを直接駆動し、排気側バルブは吸気側からギヤを介して駆動される

ファンネル長を可変する「YCC-I」を採用

新設計のオールアルミ中空フレーム

フロントサスペンションには、インナーチューブ径52mmの正立式フロントフォークを採用、リアサにはリンク式のモノクロスサスペンションを搭載、前後ともに、初期荷重、伸・圧減衰力調整が可能なフルアジャスタブルタイプとなる。また、フロントブレーキには外径320mm/厚さ5.5mmのウェーブ形状ディスクをダブルで採用、対向6ポットキャリパーをラジアルマウント装着、マスターシリンダーもラジアルポンプを採用する。リアブレーキには外径298mm/厚さ6mmのウェーブディスクを採用する。また、新開発の3ポジションABSを採用、液圧制御にリニアソレノイドバルブを使用し、違和感の少ない自然な制動フィーリングを実現したという。変速機はリターン式5段。

そのほか、シフトダウン時のリヤタイヤロックを防ぐスリッパークラッチや、低重心化を狙ってシート下にレイアウトされたガソリンタンク、ハンドル後方に備えた有機ELマルチファンクションディスプレイ、マグネシウム合金製のクラッチカバー、ACMカバー、ドライブ軸カバー、専用開発タイヤなどが装着される。

「VMAX」の主な仕様は、全長2395mm×全幅820mm×全高1190mm、軸間距離1700mm、シート高775mm、車両重量311kg、水冷4ストロークDOHCV型4気筒エンジン、排気量1679cm3(ボア×ストローク90mm×66mm)、最高出力151PS(111kW)/7500rpm、最大トルク15.1kgf・m(148N・m)/6000rpm、セル式スターター、タンク容量15L、タイヤサイズ:前120/70R18M/C 59V 後200/50R18M/C 76V。

フロントサスペンションのインナーチューブには酸化チタンコーティングが施される

メーターはスピード・タコ一体型。スピードはデジタル表示で、メーター右上にはシフトタイミングインジケーターも備える

ダミータンク上部には有機EL採用のマルチファンクションメーターを備える

マフラーは左右4本出し。駆動方式はシャフトドライブが継承される

LEDライトを採用したテールライトは昆虫のようなイメージ