世界最高峰の音楽の祭典、第51回グラミー賞授賞式が、2月9日(日本時間)にアメリカ・ロサンゼルスにて開催される。「年間最優秀レコード」、「年間最優秀アルバム」、「年間最優秀楽曲」、「最優秀新人賞」の主要4部門をはじめとする賞レースの行方はもちろん、毎年恒例のゲスト・パフォーマンスにも期待が高まる。また、日本人アーティストもノミネートされており、例年以上に大きな注目を集める祭典となりそうだ。

第51回グラミー賞 主要4部門ノミネートリスト

部門名 アーティスト名(『』は作品名)
年間最優秀レコード アデル『チェイシング・ペイヴメンツ』、コールドプレイ『美しき生命』、レオナ・ルイス『ブリーディング・ラヴ』、M.I.A.『ペーパー・プレーンズ』、ロバート・プラント&アリソン・クラウス『プリーズ・リード・ザ・レター』
年間最優秀アルバム コールドプレイ『美しき生命』、リル・ウェイン『カーターIII』、ニーヨ『イヤー・オブ・ザ・ジェントルマン』、ロバート・プラント&アリソン・クラウス『レイジング・サンド』、レディオヘッド『イン・レインボウズ』
年間最優秀楽曲 エステル Feat.カニエ・ウェスト『アメリカン・ボーイ』、アデル『チェイシング・ペイヴメンツ』、ジェイソン・ムラーズ『アイム・ユアーズ』、サラ・バレリス『こんなハズじゃなかったラヴ・ソング』、コールドプレイ『美しき生命』
最優秀新人賞 アデル、ダフィー、ジョナス・ブラザーズ、Lady Antebellum、ジャズミン・サリヴァン

昨年12月、グラミー賞を主催するNARAS(ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ&サイエンス)により、全110部門のノミネートが発表された。その結果、今回の賞レースの主役候補に躍り出たのが、最多の8部門にノミネートされたリル・ウェインと、それに次ぐ7部門ノミネートのコールドプレイ。

リル・ウェイン

リル・ウェイン(本名…ドゥエイン・マイケル・カーターJr.)は、米国・ニューオリンズ出身の、全身に刻まれたタトゥーとドレッド・ヘアーがトレードマークの天才ラッパー。現在25歳の彼は、11歳の時にラップの世界に足を踏み入れ、ホット・ボーイズのメンバーとして活動中の99年にアルバム『Tha Block Is Hot』でソロデビューを果たした。

以来、着実にヒットを飛ばし続け、04年より続く"カーター・シリーズ"の第3弾『Tha Carter III』でその名を全世界に知らしめた。08年9月のリリースからたった1週間で100万枚を突破し、現在までに全米で約300万枚のセールスを記録。全米年間アルバム・セールス・チャートでも1位を獲得するなど、「08年のヒップホップ・シーンの主役」と言っても過言ではない活躍を見せた。

コールドプレイ
(C)Tom Sheeham

一方のコールドプレイは、洋楽を聴かない人でも一度はその名を耳にしたことがあるはず。ボーカルのクリス・マーティンを中心に結成された英国出身の4人組バンドは、過去4度の受賞歴を誇るグラミー賞の常連。昨年6月リリースの4枚目のアルバム『美しき生命』は、世界36か国で1位を記録した。

ここ日本でも、アルバムの表題曲「美しき生命」を起用したCMがオンエアされ、昨年夏のSUMMER SONIC 08ではヘッドライナーを務めるなど、本作を機にさらに知名度を高めた彼ら。グラミー賞授賞式の直後には待望の来日公演も控えているだけに、いかなる結果を持って日本に凱旋するかも見所だ。

出身も音楽性も対照的なリル・ウェインとコールドプレイは、ともに主要4部門のひとつ「年間最優秀アルバム」にノミネートされている。同賞は他にもニーヨやレディオヘッド、さらには元レッド・ツェッペリンのロバート・プラントとアリソン・クラウス(米国の女性シンガー)が共同で完成させた『レイジング・サンド』もノミネートされており、激戦となることは間違いない。

ロバート・プラント&アリソン・クラウス

レオナ・ルイス

また、グラミー賞のなかでも最も権威ある「最優秀レコード」には、コールドプレイ、ロバート・プラント&アリソン・クラウス、レオナ・ルイスなどが名を連ねており、こちらの結果も見逃せない展開となりそうだ。そして、日本人が受賞する可能性も……続きを読む