シンボリックな封蝋は今も手作業

さて、次は「メーカーズマーク」のシンボルともいえるあの赤い蝋の話について。ワックス仕立ての封蝋となっているのだが、これは今も手作業で行われているのだとか。瓶詰めされてラインを流れてくるボトルを女性スタッフが1本ずつ手作業でワックスに浸して封蝋していくのだという。このため、出来上がりは2つとないデザインになるわけだ。

スミスさんがディッピングを見せてくれた後(写真左)、筆者も恐る恐る体験

セミナーでも封蝋作業を実際に行う"ディッピング"を体験できた。蝋はとても高温のため、エプロンとゴム手袋をして挑む。「メーカーズマーク」を真っ逆さまにして蝋の中に浸し、取り出したらボトルを寝かせるように持ちながら一回転。最後にトン、と音がするくらいの強さで卓上に置く。1回転させることでまんぜんなく蝋がつき、トンとおくことで、赤い蝋がタラ~リと落ちてくる。……ハズなのだが、そうなる人もいればならない人もいるわけで。しかしこれもご愛嬌、世界にひとつだけのメーカーズマークが次々と出来上がっていった。

最後は、会場となったレストラン「アルゴ」のエグゼクティブ・シェフ山下敦司さんによるフレンチベースの料理の数々が登場。それぞれに「メーカーズマーク」が使われており、またこのバーボンを使った様々なドリンクも用意されていた。

中でも、「メーカーズマーク」にアップルサイダー加えたカクテル「ケンタッキー・シャンパン」と「若鶏もも肉の煮込み ケンタッキーシャンパン風味」はリンゴの程よい甘さと酸味、「メーカーズマーク」の持つ独特の木の香りとほろ苦さが若鶏の柔らかさと風味を際立たせており、すばらしいマリアージュだった。

「パテ ド カンパーニュ メーカーズマークの香り」や「メーカーズマーク風味のエスカベッシュ」、メーカーズマークのゼリーをトッピングした「ガスパチョ アルゴ風」など。どの料理も「メーカーズマーク」が使われている

マリアージュといえば"ウイスキーとチョコレート"は王道の組み合わせである。このほど、フランスのショコラティエ、ジャン=シャルル・ロシューさんによるメーカーズマーク入りボンボンショコラが日本初上陸となる。21日から26日まで、東京・新宿の伊勢丹新宿本店で開催されるチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で販売される。こちらのほうも楽しみに待ちたい。

ディッピング体験で筆者がつくった「メーカーズマーク」。蝋が一筋しか垂れず、少々物足りない!?