初日は雨、そして2日目は……

明けて2日目は、早朝散歩から。希望者のみのオプションで、13人のうちおよそ半分が参加した。雨がどうなるかと懸念されたが、夜のうちにすっかり上がっていた。日の出前の朝湯をザブンと浴びた後、早朝散歩へGO。岳温泉の歴史をめぐる2km強のコースを40分ほどかけて歩いた。

2日目の朝食は、まあごく普通の旅館の朝食。この食事については主催者側もとくにカロリーは指定していなかったそう。とはいえありがちの焼き魚は見当たらず、野菜と豆類中心のかなりヘルシーなメニューだった

2日目の朝食は、まあごく普通の旅館の朝食。この食事については主催者側もとくにカロリーは指定していなかったそう。とはいえありがちの焼き魚は見当たらず、野菜と豆類中心のかなりヘルシーなメニューだった

宿に戻り、またひとっ風呂浴びて、8時から朝食。もちろんこれもヘルシーメニュー。それから前日の会場・櫟平ホテルに向かい、本日のプログラム「ノルディックウォーキング」に臨む。スキー選手が夏場トレーニングに行う歩き方で、ポールを使って腕をしっかり使う分、運動量は格段に多くなる。

ノルディックウォーキングに用いるポールは、身長やかけたい強度に応じて長さを調節する。寒いので説明は室内で(笑)。その後、外に出て、インストラクター影山さんの指導で歩き方を練習

前日と同様、指導を受けてテストコースを歩いた後、丘の展望台までノルディックで登る。眺めはすばらしい。が、風が異様に強く、冷たい。しかし見上げれば、前日と打って変わってきれいに晴れ上がった青い空。思えばここは安達太良山のふもと。つまりこの青い空は、高村光太郎の『智恵子抄』で智恵子がいう"ほんとの空"なわけだ。

2日目はよく晴れ、安達太良連峰も見えてきた。ただ肝心の主峰である安達太良山は、雲に隠れてとうとう見えずじまい。けれどあの山々の上の空が、ほんとの空というわけで

そう、二本松といえば高村光太郎の妻智恵子が生まれた町であり、岳温泉は『智恵子抄』でおなじみの安達太良山に抱かれた温泉地である。岳温泉の湯は安達太良山から8kmを引き湯してやってくる。過去、山の崩落や戊辰戦争の影響などで温泉の位置は何度も変わっている。古い温泉場が崩壊したら、また別の場所に引き湯して温泉町をつくる……「岳温泉の歴史は引き湯の歴史です」と、早朝散歩のときに旅館協同組合の鈴木理事長が言っていた。

最初はうまく歩けない人も多かったが、しばらく練習したらみんないい具合に慣れてきた。晴れているけど天気雪が舞って、やっぱり寒い。テストウォーキングを終え、続いては山道へ

話を戻そう。ノルディックウォーキングが終わると、前日と同様、ふたたび櫟平ホテルで温泉へ。ゆったりつかって出ると、最後の食事となる昼食のカレーライスが待っていた。カロリーは487kcal。ミニサラダと合わせて500kcal前半というヘルシーな昼食となった。

最後の昼食のカレーライス。ローカロリーとはいうが、豚肉も入ってるし、見た目だけでなく味も普通のカレーとほとんど変わりないように思えた

これで、メタボ改善プログラムは一通り終了。午後は二本松の市内観光に訪れ、夕方、解散式を行って全ツアー完了となった。はたしてメタボ改善の効果は……? 正直、1泊2日のプログラムだけではわからないけれど、ウォーキングを楽しくできたし、ローカロリーの食事も楽しく食べられたし、さらに準高地のきれいな空気も存分に吸うことができたし。これはある程度の期間を続ければきっと効果があるだろうと、静かに確信しながら帰宅の途についたのであった。

こちらは智恵子の生家(復元)だ。彼女の実家は造り酒屋だった。隣接する智恵子記念館も、地元ボランティアの丁寧な案内を聞きながら見学

ちなみに、JTBヘルスツーリズム研究所では、2009年1月29~30日に大分県の別府温泉で禁煙プログラム、2月は福島県の土湯温泉近辺でスノーシュー、ウォーキング、食、温泉をからめたプログラム、また2~3月に山梨県小淵沢で女性向けのアンチエイジング・デトックスプログラムと、それぞれモニターツアーを予定しているという。健康を絡めた旅に興味がある方は、同研究所まで問い合わせてほしい。

櫟平ホテルの露天風呂。夕方の時間帯は脇に会津の銘酒・末廣の甕が置いてあって、湯につかりながら自由に呑めるようになっていたが……もちろん呑んだ(笑)。いい気分。でもやっぱりカラダにはあまりよくないんだろう