フォートラベルと角川メディアハウスは16日、Webサイトと雑誌が融合したトラベルコミュニティマガジン「4travel」を1月に発売すると発表した。フォートラベルは、国内で最大級の旅行クチコミサイトを運営しており、同社のコンテンツを角川メディアハウスに提供するとともに連動した特集サイトを立ち上げる予定だ。

新雑誌名は「Travel Community Magazine 4travel vol.1」。A4ワイド、オールカラー144ページで、発売は2009年1月9日、価格は880円、発行は6万部を予定している。現在のところ定期刊行の予定はなく、2号名以降はタイミングを見ながら制作していくという。雑誌販売で6割、広告で4割の収入を想定しており、広告は雑誌とWebサイトをパッケージングして販売する。

「Travel Community Magazine 4travel」のコンセプトは「旅人の目線」

コンセプトは「旅人の目線」で、フォートラベル内で実際に取材してきた情報・裏話といったエリアに関する情報やサイトからピックアップしたユーザーの旅行記などが掲載される。創刊号では第1特集として比較的日本での情報が少ないキューバを取り上げ、第2特集はメジャー性の高いスペインからアフリカへの自転車の旅、第3特集はカンボジアを取り上げている。この他にフォートラベルユーザーのブログが掲載され、トラベラーの声を誌面で伝える新しいスタイルの旅行誌を目指していく。

同社の新オフィスで記者会見を行なったフォートラベル代表取締役社長野田臣吾氏は、「多くの雑誌が厳しい状況にいる中でなぜ出すのかと思われるかもしれません。しかし、角川という大手の出版社の中で揉まれて発刊が決まった企画ですから、大いに期待しています。弊社では雑誌を制作する機能は持っていませんので、出版社にサイトのコンテンツを提供する形で協力し、これまでのフォートラベルのユーザーとは異なった層にアプローチできるのではないかと考えています」と語る。

フォートラベル代表取締役社長野田臣吾氏氏は、移転したばかりの新オフィスで記者会見を行い、トラベルコミュニティマガジン「4travel」の発刊を発表した

新オフィスは、旅行の「よろこび」をイメージできる設計にしたという。空港を模した入り口にはじまり、上海、サントリーニ、ヘルシンキ、バリなどをイメージした会議室が並ぶ

また、今後のフォートラベルのビジネス展開に関して野田社長は次のように述べた。「私はWeb2.0は儲からないと思っています。buzzwordはビジネスモデルにはなりません。あくまでも補助手段です。弊社では、付加価値の高いユーザ体験を提供することで、集客とマネタイズをバランスよく実現してきました。今後は、各政府観光局がそれぞれのエリアで展開できるプラットフォームを用意したり、宿泊施設に対して直接コンタクトしてビジネスを広げていく予定です」